開催国が未定のまま会期だけが8月18〜21日に決定している今季のWRC第9戦として、チェコが浮上していることは先日お伝えしたが、ベルギーのイープルラリーとなる可能性が高まってきたようだ。ベルギーのLa Derniere Heure紙のニュースサイト、DHnet.beが、ベルギーのASNであるRACBとワロン地域政府からの資金支援が決まり、開催発表が間近であると報道した。
イープルラリーは昨年、イープル・ラリーベルギーとして国内初のWRCを開催。最終日のルートをワロン地域にあるスパ・フランコルシャンサーキットに設定し決戦の舞台を演出した。今季は、WRC第9戦の会期がF1ベルギーGPの1週間後になっていることからWRCのステージとしては使用できないが、ワロン地域政府からの資金支援を受けたことで、サーキット周辺の公道を使用したステージは実施されることになりそうだ。
当初イープルラリーは、2022年〜2023年にERCとして開催し、その間に昨年WRC開催時の運営上の課題を解決したのち、2024年にWRCに復帰するとみられていた。しかし、今季からERCのプロモーターを務めるWRCプロモーターとの間でERCの開催日程に関して折り合いがつかなかった模様で、主催者のクラブ・スーパーステージは、イープルラリーをベルギー選手権の一戦として2022年6月23〜25日に開催することを発表していた。
主催者代表のアラン・ペナスは、昨年までERCプロモーターを務めていたユーロスポーツ・イベンツと対立しており、一時はイープルラリーがERCに戻ることはないと言及していたこともあった。また、『イープルラリーは伝統の6月以外に開催するつもりはない』ともしていたが、計画よりも早くWRCを開催するチャンスが浮上したことで、再び折り合いをつけたのではとみられている。
(Graham Lister)