WRCスウェーデン：選手権首位のMスポーツ・フォードはスノーラリーでも快走を目指す

ラリー1マシン最初の実戦となった今季WRC開幕戦ラリーモンテカルロでは、1‐3‐5フィニッシュと、WRCの新時代で夢のような滑り出しを見せたMスポーツ・フォード。フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1にとっての初のフルスノーラリーとなる今週のラリースウェーデンでも、この勢いをつなげたいところだ。

モンテカルロでは、チームから初めて参戦したセバスチャン・ローブが劇的勝利を飾った。そのローブはスウェーデンには参戦しないが、チームメイトのクレイグ・ブリーンもモンテカルロでは3位に入っており、Mスポーツ・フォードは、マニュファクチャラーズ選手権で首位に立っている。

チームは、このスウェーデンにはブリーン、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモーをプーマ・ハイブリッド・ラリー1のドライバーにエントリー。モンテカルロ終了後は、マシンをスノーラリー向けの仕様にコンバートする作業に加え、モンテカルロでクラッシュを喫したフルモー用のマシン製作と忙しい日々を送ってきたが、先週はスウェーデン向けテストを実施し、各ドライバーが1日ずつ走行。上々の内容で完了した。

ドライバーズ選手権では現在4番手につけているブリーンは、これまでスノーラリーでは好成績を残している。今回のスウェーデンでも、速度域の高いスノーステージでの能力を披露し、2戦連続のポディウムフィニッシュを狙う。
「新たにウメオを拠点にした新しいラリーへの挑戦にとてもワクワクしている」とブリーン。
「トルスビー拠点の頃は何度もこのラリーに参戦したが、今回はエリアがまったく違うので素晴らしいコンディションになることを期待している。この新しいマシンでの初めてのルーズ路面のラリーとなるが、いい走りをしたい。初日は走行順が早いことも自分にとっては新しい経験。2番手からの走行は理想的ではないが、正直、このチャレンジを楽しみにしている。選手権争いでいい位置につけている、ということでもあるんだからね。モンテの時のようにこのマシンでの自信をさらに高めながら、いいリザルトにつなげられるか見ていきたい。最も重要なことは、選手権争いでいい位置につけてクロアチアを迎えることだ」

5位でフィニッシュしたモンテカルロでは、待望の自身初のWRCステージウインをマークして大喜びする様子が中継動画でも配信されたことで話題にもなったグリーンスミス。スウェーデンに向けて、ノルウェー国内で開催された小規模のイベントにフォード・フィエスタ・ラリー2で参戦し、スノー路面でのドライビングスタイルを順応させることに活用。ルーズ路面での初めてのステージウインを目指す。

「今回はウメオが拠点になるラリースウェーデンを楽しみにしている。ステージは、すごく速度域が高く、今まで見た中で最も速そうなステージもあるようなので、とてもエキサイティングな戦いになるだろう」とグリーンスミス。
「基本的にはコンディションはよさそうなので、大きな雪壁に当てながら走るのを楽しみにしている。昨年、ルーズ路面でのプーマのテストでは、マシンのバランスなどどれもフィーリングが素晴らしかったので、今回のラリーに向けてワクワクしている」

一方、モンテカルロでは大クラッシュを喫したフルモーは、このラリーを迎えるまで英国カンブリアにあるMスポーツの本社で過ごし、テクニシャンとともに新しいマシンの製作に参加していたという。4WDマシンでスノーラリーに参戦したのは2回しかないフルモーは、今回のスウェーデンでは堅実なパフォーマンスで、経験の少ない路面での走行を重ねることを目指す。

「2年ぶりにラリースウェーデンに参戦できることを、とてもうれしく思う。スウェーデンでは有名なラリーがベースだが、道のコンディションはとてもよさそうだ」とフルモー。
「選手権で唯一、100%スノーという特別な雰囲気。自分もスノーラリーはいつも楽しく走れているので、心待ちにしている。もちろんいいリザルトを残したいが、何よりもまず、この路面を楽しんで経験を積みたい。WRCのトップクラスのマシンでスノーラリーに出るのは初めてなので自分にとっては大きなステップになるが、楽しみにしている」

またチームはこのスウェーデンからWRC2への参戦も開始。今回は2台のフォード・フィエスタ・ラリー2をエントリーさせ、フィンランドの若手ヤリ・フッツネンと、スウェーデンのマティアス・エディエルソンがドライバーを務める。フッツネンは昨年のモンツァで初めてMスポーツ・フォードから参戦。エディエルソンも、母国のWRCにMスポーツ・フォードから参戦するのは初めてとなる。