ERC開幕戦ラリーセラス・デ・ファフェ・フェルグエイラス‐カブレイラ・ボティカス(ポルトガル、グラベル)は3月11日に開幕。この日は予選ステージに続いてSS1を走行した後、12日は4SSを2ループする8SSが設定されたが、悪天候により2SSがキャンセルされた。この波乱の中で、スペインのニル・ソランス(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が大差をつけての首位に立っている。
激しい雨と深い霧で道はマディになるという難コンディションでの滑り出しとなった、今季のERC開幕戦。走行順の選択で賭けに出て1番手を選んでいたソランスは、土曜日を迎えると、前日のSS1で首位に立ったエリック・カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)をかわして首位に浮上。その後は一度もその座を譲らずにこの日を走り切った。
カイスは、SS3で石にヒットして2本のパンクに見舞われステアリングにもダメージを負ったことでリタイア。すると、エストニアの若手、ゲオルグ・リンナマエ(ポロGTI R5)と、地元ポルトガルのアルミンド・アラウジョ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が2番手、3番手に立った。
SS5では、ソランスもフロントガラスが曇るトラブルに見舞われたが、冷静に対応。午後はクリーンなラインを見つけることにも苦戦するコンディションの中、ソランスは午後の4SSをすべてベストタイムでそろえ、1分44.4秒の大差をつけてサービスパークに戻ってきた。ソランスがこのままラリーを制すれば、初のERC総合優勝となる。
「コンディションがとにかく難しかったので、本当に満足している」とソランス。
「最初のループはよかったが、2WDマシンが走った後の2ループ目は本当に大変だった。轍の中に水がたくさん溜まっていたので、道をクリーンにするのは本当に難しかったが、マルク(マルティ、コ・ドライバー)と自分の内容には、本当にハッピーだ」
予選ステージでトップタイムをたたき出していた23歳の若手、リンナマエはSS2でエンジンマップの選択を誤り、ここで21.8秒のロス。続くSS3では15.7秒を取り戻したが、午後はグリップを得るのに苦戦し、ソランスとの差が広がっていった。さらに、この日最後のステージではフロントガラスが曇るトラブルに見舞われるなど、厳しい内容となった。
3番手以降はシュコダ勢が並び、アラウジョはリンナマエに15.3秒差の3番手につけた。この日は、すべてトップ3のタイムでそろえ、悪コンディションでの走行もエンジョイ。4番手につけるERCミシュラン・タレントファクトリー勢最上位のハビエル・パルドに58.5秒差をつけた。
シモーネ・テンペスティーニは視界の悪いステージで苦戦したが、徐々にペースアップし、トップ5でこの日を終えた。
今季から創設されたERCオープンでは、マルティン・セスク(シュコダ・ファビア・ラリー2キット)、ERC3はドミトリー・フェオファノフ(フォード・フィエスタR3)ERC4ではプジョー208で初参戦のオスカー・パロモがトップに立っている。
13日のレグ2は4SSを2ループする8SSが設定。今季からERCにも導入されたパワーステージは、Lameirinha (14.83km)の2回目が指定されている。
ERCファフェ 暫定結果(レグ1終了時点)
1 N.ソランス(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) 59:48.5
2 G.リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +1:44.4
3 A.アラウジョ(シュコダ・ファビア・ラリー2) +1:59.7
4 J.パルド(シュコダ・ファビア・ラリー2) +2:28.2
5 S.テンペスティーニ(シュコダ・ファビア・ラリー2) +3:16.2
6 A.バティストッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2) +3:52.8
7 N.ヘルチグ(シュコダ・ファビア・ラリー2) +4:40.7
8 M.コレイラ(シュコダ・ファビア・ラリー2) +6:4.6
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