世界耐久選手権は3月12〜13日、シリーズとしては初めてセブリング・インターナショナルレースウェイでプロローグランを実施。フルスケールのプレシーズンテストが4セッションにわたって行われた。2021年のWRCドライバーズチャンピオンで、今季はリシャール・ミル・レーシングからWECに初参戦するセバスチャン・オジエも、チームメイトのシャルル・ミレッシ、リロウ・ワドウとともに、2日間にわたって行われたプロローグランに参加。チームとしては2シーズン目となるWEC参戦に向けての準備を整えた。
チームはまず、12日にミレッシが走行した後、ワドウ、最後にオジエがマシンに乗り込んだが、激しい嵐に見舞われて1回目のセッションが早々に中止。オジエの予定していた走行も短縮された。しかし、チームのオレカ・ギブソンは早い段階でペースをつかみ、LMP2クラスでセカンドベストタイムもマーク。午後には総合で3番手につけた。
日曜日は前日よりも気温が下がる中、3人のドライバーは熱心に地道な作業を続けた。この日はロングスティントと、レースコンディションでのセッティングに専念。バンピーなコースでは赤旗が6回も出たものの、チームは2日間を通じて計211ラップ、1270kmを走り込んだ。
先行きのいい滑り出しを見せたチームは、これから2022年WECの開幕戦に向けて最終準備を進めていく。
プロローグランを終えたオジエは「この2日間はあっという間にすぎたが、このコースでのドライビングを楽しんだ」と語った。
「自分たちはステップバイステップで進んでいるが、思ったような形になるためにはまだ改善の余地がある。 今のところは、もっと周回を重ねて経験を積んでいきたい。いきなりレース参戦のプログラムに突入するのは非常に複雑なことになるので、今回のプロローグランがあってよかったと思う。いずれにしても簡単なことではないが、走行距離を重ねることで、まったくの暗中模索ということはなくなり、いいベースラインができた。これからすべてを報告して分析しながら、レースウイークに向けて改善点を見つけていきたい。まだ始まったばかりだからね!」
チーム代表のフィリップ・シノーは今回のプロローグランについて「3人のドライバーはみんな、すぐにこの難関コースにもすぐに対応し、順調に進んだ。自分たちのプログラムを完遂し、プロローグの間は少しずつ違うプログラムを行っていたが、学習段階を経て、それぞれショートスティントとロングスティントを行った」と語った。
「チームワークは非常によく、まったく異なるプロフィールを持つ3人のドライバーがお互いに刺激しあい、助け合っている。セバスチャンは、カレンダーで最難関コースのひとつであるセブリングでも、焦ることなくいいペースで順応していった。一切ミスをすることなく、耐久レースのデビューに向けて多くの経験を積んだ」