WRCは今週、シーズン最初のフルターマックラリーとなる第3戦クロアチアラリーを迎えるが、トヨタのエサペッカ・ラッピは、ハイブリッドの新規定ラリー1マシンの舗装でのパワーに圧倒されたことを明かした。
今季はセバスチャン・オジエと3台目のGRヤリス・ラリー1をシェアする参戦プログラムを組んでいるラッピ。多くが舗装路面となった開幕戦のラリーモンテカルロにはオジエが参戦していたため、ラリー1マシンで舗装を走るのは初めてとなる。
ラッピは今月上旬にクロアチアでテストを行ったが、電力と内燃エンジンを組み合わせたエネルギーが生み出す500馬力以上のパワーに慣れるのは大変だったと語った。
「ラリーをやってきて、これ以上パワーはいらないと思ったのは初めてだったと思う」とラッピは笑顔を見せた。
「かなり満足できるだけのパワーだった。この路面では、ハイブリッドのブーストがかかった時にどれだけパワーが増したのか、どれだけ加速がいいのか、しっかり感じられる。ものすごく大きなキックを受けたような感じだよ。ワイドな道はOKだが、細い道ではパワーが出すぎと感じる時もある。少なくとも、テストの初日はそうだった」
1年前、クロアチアで初めてWRCが開催された時にはラッピは参戦していなかったが、ラリー拠点となる首都ザグレブ周辺のグリップの低いステージは難関だと理解しているようだ。
「ビッグチャレンジがふたつある。ひとつは、このラリーの経験が少ないことだ。ステージを1、2回でも走っていることは大きな武器になる。そして自分にとってさらに大きな負担になるのは、道の上に出てくる砂利だ。自分はこういう路面が苦手だし、過去にもミスをしたことがある。それを覆したいね。こういう路面での走りを成長させたいし、いいパフォーマンスで戦いに絡んでいきたい」
ラッピは、ラリー1マシンでの初参戦となった2月のラリースウェーデンを3位でフィニッシュしているが、クロアチアで同等の結果を残すのは厳しい課題だと見ているようだ。
「スウェーデンのことは忘れなくてはならない」とラッピ。
「あのリザルトを自信につなげる必要はあると思うが、一方で前回のスウェーデンは新しいエリアでの開催だったとはいえ、コンディションは分かっていたし自分が得意としているものあったことを理解しておかなければならない。今回のラリーは、その真逆。スウェーデンの時ほど高い目標を掲げることはできないと思うが、それでも相応のパフォーマンスを発揮できるチャンスは自分に与えたいと思う。スタートする前からあきらめたくはないからね」