2022年WRC第3戦クロアチアラリーでは劇的な戦いを演じ、トヨタのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが通算4勝目を挙げた。ロバンペラは首位で最終日を迎えたが、ヒョンデのオィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤに逆転を許してしまい、最終SSで再逆転を果たして勝利を獲得している。
チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティンは5位、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルムはデイ1でリタイアした後に再出走し、49位でラリーを走り切った。勝田貴元/アーロン・ジョンストンは6位でフィニッシュ。この結果を受け、チームオーナーを務めるトヨタ自動車の豊田章男社長がコメントを発表した。
(以下チームリリース)
カッレ、ヨンネ、優勝おめでとう!
昨年、二人はSS1でリタイアしていました。今年のクロアチアで、二人がなんとしても雪辱を果たすことを願って見ていたので本当に嬉しい! パワーステージでの逆転はすごかった! 優勝決定後のオーディエンスのカッレコールも感動でした。天気も安定せず、決して楽なラリーではなかったと思いますが、カッレは最初からリスクを取った走りをしてくれていました。タイヤにダメージを負っても落ち着いて走り続け、追い上げられても逆に引き離していくほどの走りをしてくれていました。まだまだシーズンは始まったばかりです。今後も、様々な道で頼もしい走りを見せ続けて欲しいと思います。
チームはスウェーデン戦からの2カ月で様々なテスト走行をしてくれていました。今回のカッレの走りも、そんなチームの努力の表れだと思います。みんなの努力に感謝したいと思います。ここからは数週間おきにラリーが続いていきます。2ヶ月の頑張りが、さらによい結果となって表れることを願っています。
今回のラリーではウェザークルーと気象予報士、そしてグラベルクルー達もがんばってくれていたと聞きました。毎朝4時起きで現場に入って情報を送り、路面の変化を予想してくれていたそうです。天候不順だったこともあり、かなり難しい判断の連続だったとのこと…。WRCはチーム全員での戦いであることを改めて感じました。
エルフィンは途中タイヤを傷めて後退しましたが、最後まで走り切ってくれました。今シーズンは悔しいラリーが続いていますが、ここで気持ちが切り替わったと思います。また次からよろしく頼みます。エサペッカには一言…「焦らなくていいよ、落ち着いて!」君が速いドライバーだということは5年前からわかっているし、フィンランドの道でつくったGRヤリスのラリーカーが君に合わないわけがない。だから、落ち着いた走りさえしてくれれば、次から、きっと結果がついてきます。貴元はターマックでの経験をまたしっかり積み重ねてくれました。この経験は11月のターマックラリー、ラリー・ジャパンにも繋がっていくと信じてます。その日を楽しみにしてますね。
いよいよシーズン中盤に入っていきます。チームのみんなは、勝利の数やタイトル獲得は意識せずに、とにかく“もっといいクルマづくり”を続けてください。そうすれば必ず結果もついてきます。そして、なによりトヨタのクルマづくりの力につながっていきます。エキサイティングなラリーを見せること…、そして、もっといいクルマづくりを続けることで、応援してくださるファンの皆さまに恩返しをしていきましょう。
ファンの皆さまも、引き続き応援よろしくお願いいたします。