4月24日にフィニッシュを迎えたWRC第3戦クロアチアラリー。デイ2までに累積で1分50秒のペナルティを重ねてきたヒョンデのティエリー・ヌービルには、最終日さらに10秒が加算された。デイ1の最終サービス(サービスB)を終えた後、チームのサービスエリアからサービスアウト(TC8C)までに設定されたHEVゾーンをフル電動モードで走行していなかったことが報告されたのだ。これに対する裁定は最終日にパワーステージがスタートする前の12時30分に下され、審査委員会は10秒のペナルティを科したが、このペナルティは最終日の最初のTC(TC16D)に適用されたため最終順位に変動はない。
裁定書によると、前日の23日夜に聴聞を受けたヌービルは、サービスBを終える頃、ハイブリッドデバイスHPSを起動させることができなかったと説明。ヌービルは同じ手順を2回試みたが、起動はできなかったという。そのため、サービスはマシンを押してアウト。HPSが起動していなかったため、サービスアウト/パルクフェルメインのタイムコントロール(TC8C)でエンジンを作動させることを決めた。ヌービルはこのTCには1分遅着している。
FIA車検委員からは、翌日のデイ2朝のパルクフェルメからこの日最初のサービスCに入る間のHEVゾーンはフル電動モードで走行しており、コンパクト・ダイナミクスの担当によるチェックではHPSに技術的な問題はなかったこと、さらにその後のセクションを終えた後のサービスDに入る際も、TCからヒョンデのサービスエリア間のHEVゾーンはフル電動モードで走行していたことが報告されている。
ヒョンデのチームエンジニアが提出したデータでは、デイ2の朝6時50分頃、なんらかのトラブルが発生しHPSに影響していたと思われる現象が示されていたことから、さらに調査が行われた結果、サービスBを離れる前にメカニックのミスによりHPSのスイッチが切られていたことが判明した。HPSは一度スイッチを切ると、再びフル電動モードで走れるようになるまで1〜3分の時間がかかるという。
ヌービルは今回のクロアチアラリーでは、リエゾンでの速度超過やトラブルによるTC遅着など合計4つのペナルティを受けており、タイムペナルティの累積は2分となった。ヌービルはこのイベントを、優勝したトヨタのカッレ・ロバンペラに2分21秒遅れの3位でフィニッシュしている。