WRCの公式サイト、WRC.comは、先月のWRCクロアチアラリーでは慎重な走りを見せたトヨタの勝田貴元が、次戦のポルトガルラリー(5月19〜22日)ではペースを上げるべく意気込んでいると伝えている。
勝田のポルトガル参戦は今回で4回目。昨シーズンは4位フィニッシュと大健闘を見せており、今年も、マニュファクチャラーズ選手権では首位を走るトヨタが誇るGRヤリス・ラリー1の限界点を引き出す走りをしたいと楽しみにしているようだ。
マトジニョスを拠点とするポルトガルラリーは、ハイブリッドの新規定が導入されて以来、初めて迎えるグラベルラリーとなるため、また新たな学びの場となりそうだ。
「このヤリスでは、グラベルはあまりたくさん走っていませんが、この路面でいい動きをしてくれると信じています。自信を感じているし、自分もこの路面やこのラリーが大好き。できれば雨は降らずに、ドライの天候になってくれるといいですね」と勝田。
ハイブリッド時代を迎えた今季のWRC、勝田は安定した滑り出しを見せており、開幕戦モンテカルロでの8位、第2戦スウェーデンでの4位に続き、第3戦クロアチアでも6位に食い込んでいる。しかし、勝田自身にとって、今回のクロアチアは忍耐の週末だった。ターマックでのGRヤリス・ラリー1の走りを存分に学んだ一方で、できる限り多くの経験を積むためには速さを抑えなくてはならないことも承知していた。
「クロアチアは少しフラストレーションがたまる展開でした」と勝田は認めている。
「たくさん学んだことがあったし、マシンをフィニッシュまで持ち帰るために我慢もしていました。常にコンディションが変わるような状況であのマシンのことを学ぶのは、簡単なことではありません。ポルトガルでは、あのような感じにならないことを願います。難しい天候で学べることもたくさんあることはもちろん分かっていますが、グリップが安定して、GRヤリスをグラベルでハードにドライブできるチャンスができたらうれしいですね」