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WRCサファリ:勝田貴元「プッシュしつつもクレバーに」

©TOYOTA

勝田貴元が、今週末に開催されるWRCサファリに向けた意気込みを語った。レッキに向けた準備や、2年目ならではの取り組み方についても紹介する。昨年はチームメイトのセバスチャン・オジエと接戦を展開した末に自身初の表彰台を獲得した一戦だ。「何が起きてもおかしくない」というラリーに向けて、入念な準備を重ねて本番を迎える。

──次戦サファリへの意気込みを聞かせてください。
できる限りの準備をして挑むつもりです。昨年はサファリが初めてで、どのようなラリーになるのか誰も分からない状況で、予想以上に色々なことが全ドライバーに起きました。僕もラジエターやダンパーの問題などが発生して、修復しながらのラリーでした。間違いなく今年も、何が起きてもおかしくないようなラリーになるのだと思います。
 今年はみんな抑える部分とプッシュできる部分を分かってきていると思いますし、僕も色々なオンボードを見返して、他のドライバーの走りとも見比べながらチェックをしているところです。昨年の経験がある分、多少スピードラリーになるかもしれません。でもそれだけ壊れるリスクも高まるので、まだまだサバイバルラリーになるのではないかと思います。そこは自分も気をつけて、プッシュしつつもクレバーに。とにかく何が起きるか分からないラリーなので、それを楽しみたいと思っています。砂でワイパーを使ったり、ゼロカーがスタックして動けないなんて基本的にほかではないことなので(笑)。

──サファリに向けて、何か特別な準備はありますか?
チームも特に準備していますし、クルマの強化や対策もしていますが、ドライバーとしては僕はやはりペースノート、先程話しましたが去年のオンボードを見返して、多少コンディションが変わっているとか、修復してくれているとか、むしろ修復されていなくてもっと大変な状況になっている場所とかもあると思うのでレッキしてみないと分からない部分はあります。そこからなんとなく自分の中のイメージをよみがえらせて、ペースノートの訂正も含めて準備している感じです。

──昨年走ってみて、ポイントになりそうな部分はありますか?
テクニカルセクションと高速セクションが極端に分かれているだけでなく、6速全開のセクションに『絶対に全開でいったらマズい』というバンプがあったり、そういうのが色々なところに隠れているので、ラインどりは重要になりそうです。
 たとえば、ティエリー・ヌービル選手は土曜日の長いステージで他のドライバーより10秒以上速かったんです。オンボードを見返すと、僕たちはクルマを壊したくないからすごく抑えているのに、彼は関係なく全開。間違いなくクルマには負担ですし、リスクも大きいわけですが、それだけタイムを稼ぐことができたんです。もちろん、ギリギリだったり運が良かった場所もたくさんありますけど、色々なドライバーの走らせ方や対応の仕方を見て、どう臨むべきかを探っています。

──ほかの選手の映像も参考にしているのですね。
全員ではありませんが、たとえば自分が遅いところとか、誰かが圧倒的に速かったところは、ほかのドライバーのオンボードを見て自分と何が違うかを研究します。自分が速かったセクションでは、あまり変なイメージを入れないために自分だけの映像を見ることが多いですね。

──研究熱心ですね。
いえいえ。でも本当にこうした準備をするだけでもストレスなく臨めます。レッキの前にある程度イメージがあると、「本当にこのラインでいけるのかな」とか、「あのドライバーはここをこう行っていたよな」とか、色々な情報が増えるので、すごく自信を持って臨むことができますね。こうした取り組みができることは、昨年のサファリとは大きく変わった点です。

──ラリー1では、サファリの戦い方は変わりますか?
昨年も、ラジエターにアフリカ地域に特有の砂が詰まってオーバーヒートするということがありました。ですから、ラリー1でもエアインテークなどに入ってしまうと問題になるのではないかと思います。そこはチームが色々と対策を立ててくれているはずです。
(Keiko Ito)



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