2022年のWRC第6戦サファリは、競技2日目のSS7までを終えてトヨタのカッレ・ロバンペラがトップ。2番手には勝田貴元、3番手にエルフィン・エバンスとトヨタ勢が上位を占める展開となっている。
競技2日目はSS2〜SS7の6SS、SS走行距離は124.20km。サービスからナイバシャ湖を反時計回りに、北部に設けられたSS2/5、南部のSS3/6、SS4/7という6SSを走る構成。オープニングステージのSS2でベストタイムをマークしたのは、Mスポーツ・フォードから参戦しているセバスチャン・ローブ。SS2番手にはエバンス、同3番手にオジエとトヨタ勢が僅差で続いた。続くSS3ではロバンペラが一番時計。勝田がSS2番手に入り、総合順位を8番手から5番手まで上げることに成功した。ロバンペラはSS4でもベストタイムを刻み、総合8番手から一気に総合3番手に浮上してみせた。このSS4を終えた段階で、エバンス、オジエ、ロバンペラ、勝田とトヨタが上位4台を占める状態に。また、SS4を終えてサービスに戻るリエゾンでローブのマシンにエンジントラブルが発生、ローブはこの時点で2日目の競技続行を諦めている。
サービスを挟んで臨むSS5は、SS2の再走ステージ。ここでトップタイムをマークしたオジエがエバンスをかわして総合首位に浮上、SS2番手の勝田も総合2番手にポジションアップした。SS5の終了時点でトップのオジエから総合4番手のロバンペラまでは10.4秒。ロバンペラと総合5番手につけるヒョンデのオィット・タナックは20秒の差があり、ラリーは4台のトヨタGRヤリス・ラリー1によるチームメイトバトルの様相を呈しつつあった。このSS5終了時点では、総合9番手につけていたMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーがメカニカルトラブルによりリタイアを喫している。
トヨタ同士による接近戦はSS6でも展開され、オジエがベストタイムを刻み、0.4秒差の2番手に勝田が続いた。このSSでは3番手タイムをマークしたロバンペラがエバンスをかわして総合3番手となった。この日最後のステージとなるSS7では、首位を走るオジエがパンク。SS内でのタイヤ交換を実施したため2分以上のロスを喫してしまい、優勝戦線から脱落することとなってしまった。勝田も、前を走るMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーンにトラブルが発生したことでスローダウンを余儀なくされ、大きくタイムロス。オジエの脱落により総合首位に立ったのは、SS7で一番時計をたたき出したロバンペラだ。先頭走者で臨んだ金曜日を首位で終え、長丁場となる土曜日のステージに挑む。
勝田はSS7でのスローダウンにより総合4番手にまで脱落してしまうが、この日の走行終了後、審査委員会は勝田のタイムを修正する裁定を下している。審査委員会はブリーン車の状況が勝田の妨害になったことを認め、勝田のSSタイムを10秒短縮した18分2秒1に修正することを公示した。これにより勝田は総合2番手の座に復帰している。
このステージのフィニッシュで勝田は「クレイグのダストがものすごく、何も見えないコーナーもありました。ロングストレートでクレイグが止まったのですが、あちこちに大きな石があったので、自分もそこではほぼ止まらなくてはならない状況でした。これでかなりタイムをロスしてしまったと思うので、なんとか取り戻したい」と状況をコメントしている。
勝田の復帰により、総合首位ロバンペラ、2番手勝田、3番手にエバンスという順位に。エバンスと総合4番手のタナックは2.9秒差となっており、表彰台を巡る争いは明日も熱を帯びそうだ。競技3日目はSS8〜SS13の6SS、大会最長となる150.88kmを走行する。ナイバシャから北上したエレメンタイタ湖とナクル湖の間にまたがるエリアが舞台となる。オープニングのSS8は日本時間6月25日の14時6分スタート。
WRCサファリ SS7後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:20:58.1
2. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +14.6
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +22.4
4. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +25.3
5. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +57.5
6. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:08.2
7. O.ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1) +4:27.1
8. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +9:51.1
9. C.ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +10:24.6
10. S.ジョンストン(シトロエンC3ラリー2) +11:04.6