2022年WRC第7戦エストニアは競技3日目のSS18までを終えて、トップ3の顔ぶれは変わらず。トヨタのカッレ・ロバンペラが9SS中7SSでベストタイムをマークしリードを拡大、着々と首位の座を固めている。2番手には29.1秒差でトヨタのエルフィン・エバンス、3番手には1分11秒5差でヒョンデのオィット・タナックが入っている。勝田貴元は3分43秒差の5番手で最終日に臨む。
競技3日目はSS10〜SS18の計9SS、SS距離95.02kmが行われる。4SSを2度ずつ走行し、木曜日の夜に走行したタルトゥのステージを走行してフィニッシュとなる。天候は一部で雨が降るステージはあったものの、ステージの多くはおおむねドライコンディションのもと行われた。
オープニングステージとなるSS10は、総合2番手につけるエバンスがベストタイムで首位ロバンペラとの差を0.6秒縮め、トータルで11.1秒差に詰め寄った。SS2番手は0.6秒差のロバンペラ、SS3番手に1.4秒差でタナックが続いた。SS11では、ロバンペラがベストタイムをマーク。SS2番手に続いたエバンスとの差を0.4秒押し戻し11.5秒とした。ロバンペラは、この日の最長SSとなるSS12(17.08km)でもベスト。
このSS12では、総合4番手につけていたトヨタのエサペッカ・ラッピがSS中にタイヤ交換を実施しタイムロス、代わってヒョンデのティエリー・ヌービルが4番手に浮上。勝田は総合6番手につけていたMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモーをとらえ、さらにラッピの後退もあって総合5番手にポジションを上げている。ロバンペラはSS13でも一番時計をたたき出して、午前中の4SS中3SSを制するスピードを披露。SS13を終えた段階で、総合2番手のエバンスに19.1秒差とし、3番手のタナックには57.6秒差をつけている。
サービスを挟んだ午後のステージは、まさにロバンペラの独壇場と言える展開となった。SS14からSS17まで、圧巻の4連続ベストタイム。午前中から数えれば7SS連続ベストタイムとなり、総合2番手で追うエバンスとの差を29.5秒、総合3番手タナックとの差を1分11秒9にまで拡大することに成功した。
この日最後のSS18はスタート地点の路面状況悪化により、スタートをゴール側に移設する形でSS距離を10m短くして行われた。ここではフルモーがベストタイムをマーク。短いSSのため、各ドライバーで大きな差はつかず、上位陣の順位変動もなし。このSS18までを終えて、上位の顔ぶれはロバンペラ、エバンス、タナック、ヌービル、勝田、フルモーというトップ6に。各ドライバーとも差が開いている状況だが、勝田はフルモーに対して10.9秒のリード。最終日に残された77.98kmでの戦いにも注目したい。
競技最終日はSS19からSS24の6SS、77.98km。3SSを2度走行する構成で争われる。ステージはサービスパークの置かれるタルトゥに加え、南下したエリアに設定される。オープニングのSS19は日本時間7月17日(日)の12時48分スタート。
WRCエストニア SS18後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:07:53.0
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +29.1
3. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:11.5
4. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +2:20.3
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +3:43.0
6. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +3:53.9
7. E.ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +4:35.4
8. P.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +6:16.4
9. G.グリーンスミス(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +7:22.9
10. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +8:39.7