WRC第9戦ベルギーでは、モリゾウ(豊田章男社長)とユハ・カンクネンが水素エンジンを搭載するGRヤリスでデモンストレーションランを実施した。
(以下チームリリース)
ベルギー、イープルで開催された世界ラリー選手権(WRC)第9戦で、トヨタ自動車が試験開発中の水素エンジン車「GRヤリス」がデモ走行を実施しました。水素エンジン車が海外の公道を走行するのは初めてです。
GRヤリスのドライバーは、モリゾウこと社長の豊田章男、コドライバーは、4度のWRC王者に輝き、かつてトヨタでも世界タイトルを獲得した経験を持つフィンランド出身のユハ・カンクネンさんが務めました。
GRヤリスが走行したのは、8月19日から21日まで開催された「イープル・ラリー・ベルギー」2日目(20日)のスペシャルステージ(SS)11です。全長15キロのSS11は道幅が非常に狭い農道で、周囲は畑や民家などに囲まれており、選手権に出場したプロのラリーストにとってもチャレンジングなステージでした。GRヤリスは現地時間の20日午前、SS11の競技開始前にステージの安全を確認するため走行する「セーフティーカー」の前に走行するテストカーとして走行しました。
モリゾウにとっては初めての道、走行前の下見も自身でできないままでの走行となりましたが、カンクネンさんの案内を頼りに、非常に滑りやすく刻々と変化する路面と対話し、無事に走り切ることができました。
モリゾウの走行後のコメント
今回、カンクネンさんの好意で運転させていただくことができ、感謝しています。私の運転に合わせて案内してくれたので、気持ちよく走行できました。路面が刻々と変わり、滑るうえに狭いので難しい道でした。ジャパンラリーの道に似ていて、観戦していただけるお客様への対応に向けても良い経験になったと思います。会場にはミライによる電源供給のデモもあり、水素エンジンの走行と合わせて、CN(カーボンニュートラル)の達成に向けた選択肢のひとつとして水素の可能性を欧州でも見ていただけたと思っています。
ユハ・カンクネン選手のコメント
アキオの運転はすばらしかった。水素エンジンも非常にトルクがあり、ガソリンエンジン車と変わらない。CO2も出さないということで、モータースポーツはもちろん、一般車の世界でもカーボンニュートラルに向けた選択肢のひとつになると思う。