WRC第9戦イープル・ラリーベルギー(ターマック)のWRC2は、シトロエンC3ラリー2のステファン・ルフェーブルがほぼ完全に近い形で今季初勝利をマークした。
フランス出身のルフェーブルは、ベルギー選手権に参戦していた経験を活かし、選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に3.1秒差で競り勝った。SS2で首位に立ったルフェーブルは、その後は一度もその座を譲らなかった。土曜日最初のステージでは、ミケルセンから猛追を受けたが、そこから勢いをつけて、25.7秒のアドバンテージを築いて最終日を迎えた。
残る4本のターマックステージをペースコントロールしながらまとめたルフェーブルは、キッチリ差を残してトップフィニッシュ。総合でも6位に食い込む大健闘を見せた。
「WRC2で優勝するのは久しぶり」とルフェーブル。
「イープルラリーでWRC2クラス優勝できるなんて、夢のよう。何度もこのラリーをリードしてきたが、一度も勝てたことがなかった。今回は、とても気合いが入っていた。全力を尽くしたので、この勝利の意味は大きい。いいラリーができたし、いくつもステージウインをマークできた。コ・ドライバーのアンディ・マルフォイも自分も、マシンの中でとてもリラックスできた。今回のパフォーマンスには本当に満足。DGスポーツは素晴らしい仕事をしてくれた」
ミケルセンは2位でフィニッシュし、選手権争いでは首位を死守している。今季は2回リタイアを喫しているため、タイトル防衛のためにはこのベルギーでは勝っておきたいところだったが、今回、最も重要なことは、ヨアン・ロッセル(C3ラリー2)よりもひとつ上の順位でフィニッシュしたことだ。ミケルセンは、パワーステージではトップタイムをマークし、ボーナスポイント3点を獲得した。今年のWRC2は、参戦6戦中ベスト5戦のポイントに加え、ヨーロッパ外一戦に参戦すればその分のポイントがボーナスとして加算することができる。ミケルセンのWRC2参戦は残り一戦となっているが、ポイント争いではタイトルを争うロッセルとの差を16から20に広げた。
「こことギリシャでは最大ポイントを獲得しなくてはならないことは分かっていた。それでも、ベルギーを2位でフィニッシュできたことはそう悪くない。ステファンのペースに追いつくのはとても難しかったし、彼は素晴らしいラリーをしていた」とミケルセン。
3位のヨアン・ロッセルは、ミケルセンに51秒差でフィニッシュ。さらに26秒差の4位でフィニッシュした英国のクリス・イングラム(ファビア・ラリー2 Evo)は、WRC2ジュニアでは最終日で巻き返してトップフィニッシュとなった。WRC2ジュニアでリードしていたグレゴワール・ミュンスター(ヒョンデi20 Nラリー2)だったが、SS17でパンクを喫し、イングラムに8.1秒差でのフィニッシュとなった。
ビンセント・ベルシューレン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)はトップ6に食い込んだ。アルミン・クレマー(ファビア・ラリー2 Evo)は、WRC2マスターズカップでトップフィニッシュを飾っている。なお、シュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで参戦していた福永修/齊田美早子は競技2日目にデイリタイアを喫したものの、最終日に復帰。総合66位、WRC2マスターズ7位となった。
WRCベルギー WRC2最終結果
1 S.ルフェーブル(シトロエンC3ラリー2) 2:35:39.6
2 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +3.1
3 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +54.1
4 C.イングラム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:20.1
5 G.ミュンスター(ヒョンデi20 Nラリー2) +1:28.2
6 V.ベルシューレン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +2:39.4
7 S.ベドワ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +3:24.4
8 A.クレマー(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +5:27.6