ヒョンデのチーム副代表ジュリアン・モンセは、9月11日にフィニッシュしたWRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャで、オィット・タナックを優勝させるべきだったのではという意見に反応した。
ヒョンデはこのアクロポリスで、ティエリー・ヌービルがトップフィニッシュ。タナック、ダニ・ソルドと3台のヒョンデi20 Nラリー1が並び、チームとしては初めてWRCでの1-2-3フィニッシュを達成した。しかしヒョンデにとっては夢のリザルトが実現した一方、ランキング2番手のタナックに最大限のポイントを獲得させるため、ヌービルにチームオーダーを出さなかったことについて、モンセの判断に賛否両論が起こっている。
ドライバーズ選手権では現在、タナックは2番手、ヌービルは3番手につけている。今季、快進撃を見せている選手権リーダー、トヨタのカッレ・ロバンペラに追いつける確率は低いとはいえ、ロバンペラのタイトル獲得を阻止できる可能性を一番残しているのはタナックだ。
ラリーフィニッシュの後、モンセは毅然とした態度で、戦略をめぐる議論には一切応じなかった。
「同意できない人もいれば、同意する人もいるだろう。全員を満足させることはできない」とモンセはWRC.comに語っている。
「あらゆる条件を踏まえてチームとして判断した結果、順位を維持すると決めた。ポディウム独占が一番の目標だったので、自分たちの判断には満足できるし、同意してもらわなくても構わない。これが我々の判断だ」
マニュファクチャラーズ選手権では、ヒョンデはこれで、首位のトヨタとの差を63ポイントとして残り3戦に臨む。ヒョンデは、ハイブリッドの新規定ラリー1マシンの開発が遅れたことでシーズンの滑り出しは苦戦が続いたが、直近の3戦では連勝を収めている。モンセは、流れが変わったことは素晴らしいことだと認めている。
「正直、(シーズン序盤の)批判は理解できる」とモンセ。
「シーズンの初めは誰もが、うちのチームに1ユーロも賭けなかっただろう。特に、モンテカルロの後ではね。厳しい流れになることは覚悟していたが、心の奥底では挽回して追いつくのは可能であることも分かっていた。チームは何も変わっていない。同じ優秀なスタッフがいて、体制も同じだ。少し出遅れただけだ。あとは、流れを取り戻すのがいつになるのか、という問題だった。これほど早く、多くポイントを獲得できるようになるとは思っていなかったかもしれないが、なんとかやり遂げることができたし、本当にアメージングな展開だ」