開催中のWRC第11戦ラリーニュージーランド、ヒョンデのオィット・タナック、ティエリー・ヌービル、オリバー・ソルベルグに、ハイブリッド規定に抵触したことにより10秒のタイムペナルティが与えられた。タナックはこれにより、総合3番手に後退した。
タナックとヌービルはすでに、9月29日木曜日のSS1でハイブリッドブースト時に放出されたエネルギーが当該ステージで認められる最大値を超えたとスチュワードに裁定され、金曜日最初のステージ終了後に5秒のタイムペナルティを受けていた。なおこの時には、トヨタのカッレ・ロバンペラも同じ裁定により5秒のタイムペナルティを受けている。
しかし、ヒョンデの3人には、金曜日のテ・アカウ・ノース2回目の走行(SS7)でも同じ違反をおかしたことで、10秒のペナルティが科せられた。これによりヌービルは総合4番手を維持したが、ソルベルグはトヨタの勝田貴元にかわされ総合6番手に後退。タナックも、トヨタのセバスチャン・オジエに2番手の座を譲ることとなった。選手権でタイトルを争うロバンペラとの差は14.6秒となり、残り7ステージを迎える。
ロバンペラがこのままラリー優勝を飾れば、タイトルを決めるために必要となるタナックとの差は7ポイントのみとなり、パワーステージポイントを考慮しなければ、現状では十分に条件を果たしていることになる。
ヒョンデのチームマネージャーを務めるパブロ・マルコスと、チーム副代表のジュリアン・モンセは、この違反が人的ミスであるとして謝罪した。マルコスの説明によれば、SS1でこのミスに気づいたヒョンデのエンジニアは、木曜日夜のサービスAの間に、テ・アカウ・ノース(SS4/SS7)用のハイブリッドブーストのパラメーターを修正するつもりでいたという。しかし、作業時間が限られていたことから、このエンジニアはSS4の調整のみ行い、SS7用の変更を忘れるというミスをしてしまったという。