Mスポーツ・フォードは、WRC第12戦ラリースペインでの引退を発表したポール・ネイグルの後任として、最終戦ラリージャパンではジェームス・フルトンがクレイグ・ブリーンのコ・ドライバーを務めることを正式に発表した。
ネイグルが引退を決めて以降、ブリーン、ネイグル、チームは後任候補を精査した結果、フルトンが適任と判断したという。フルトンは今季、多くのWRCでブリーン、ネイグルとともに活動していた。一方でジョシュ・マクリーンのコ・ドライバーとしてWRC2にも参戦しており、WRCの流れにも慣れている。フルトンは、すでにブリーンとともにフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1のテストに参加し、コンビネーションの構築を始めている。
フルトンは、ラリージャパンがラリー1マシンでの初参戦となり、2023年シーズンに開幕戦から参戦する活動に向けて備える。ラリージャパンにはネイグルも帯同しフルトンをサポートしながら、ペースノートの引き継ぎを行うという。
フルトンは「この機会を与えられた喜び以上の言葉が見つからない。もちろん、ほかのコ・ドライバーと同じように、トップレベルを目指してきていたからね」とコメント。
「クレイグとは長く一緒に活動しているし、プーマでも何度かテストを行ったので、彼やマシン、チームとの関係を築くことを心から楽しみにしている。この仕事に没頭し、最高の仕事をすることを楽しみにしている」
新しいパートナーが決まったブリーンは「ポールと自分は、このことについて長い間、話しあってきたし、彼の考えは全面的に理解できる。何年もラリーのトップレベルに参戦してきたが、家族との時間を増やしたいとも考えていたからね。でも、もうすぐ、現場で彼がいなくなるのは、まだ不思議な気分だ」とコメント。
「ジェームスについては、まったく心配していない。経験が豊富だし、最近のテストでは一緒に参加している。ジャパンには彼と参戦するので、来シーズンに向けていい経験ができるだろう。ポールもジャパンに来て、ジェームスを支えてくれる予定だ。ジェームスはWRCで2年間頑張ってきたが、またひとつステップを上がることになる。彼は対応できると確信している。彼はオンボード動画をたくさん観ているので、すでに彼がもうずっと隣に座っているような感じがしているよ」
Mスポーツ・フォードの代表リチャード・ミルナーは「何よりも、クレイグやチームのためにこれまで尽力してくれたポールに感謝したい。素晴らしい人物なので、本当に寂しくなる。一方で、ジェームスとクレイグにとっては、エキサイティングな機会になる。ふたりにとって新しい章の始まりとなり、ここまでのテストやラリー現場でのサポートを見る限り、相性はよさそうだ。ジェームスは非常にプロフェッショナルで、段取りもうまく献身的なので、コ・ドライバーとして成功するための重要な要素を持ち合わせている」
「来季、開幕戦のモンテカルロに向けての準備としてジャパンに参戦させることには、全員が同感している。昨年はガス・グリーンスミスとヨナス・アンダーソンも、同じ理由でモンツァに参戦させて今年のモンテカルロで好リザルトにつながった。ポールがチームから参戦するのは残り一戦となってしまったが、ラリースペインに集中して、いいリザルトでポールを送り出したいね!」