10月23日に行われたWRC第11戦ラリースペイン(ターマック)の最終パワーステージ(SS19)で5番手タイムをマークしたヒョンデのダニ・ソルドだったが、このステージで有効な回生を行わずにハイブリッドブーストを使用したことが認められた。これが、2022年WRC競技規定付則XV(ラリー1ハイブリッド戦略詳細)の3条に違反したとして、当該ステージタイムに対し5秒のペナルティが与えられた。
ヒョンデの代表として聴聞に出席したチームマネージャーのパブロ・マルコスは審査委員会に対し、ソルドのヒョンデi20 Nラリー1がステージをスタートした後、有効な回生なしに0.08kJのブーストがかかったことを認め、これが通信システムの遅延と極めてハードなブレーキングによるものだと説明した。こうしたトラブルではテストを含めこれまでに発生したことがなく、チーム側もこうしたことが起こり得るとは考えていなかったとし、今後、こうしたミスを避けることは可能であるとした。
審査委員会は、性能面での優位性はないものの、こうした規定を常に遵守することはコンペティターの責任であることからペナルティを与える裁定を下した。当該ステージがボーナスポイントのかかるパワーステージであったことから、5秒のペナルティをステージタイムに対して与えた。
これにより、パワーステージでは10:11.012のタイムをマークしたトヨタの勝田貴元が5番手に繰り上がり、ボーナスポイント1を獲得している。
なお、このパワーステージでは、ベストタイムをマークしラリーを勝利したトヨタのセバスチャン・オジエに、ポディウムに到着する前にドーナツターンを行ったとして1500ユーロ(約22万円)の罰金が科された。規定では「エキシビション走行はラリーの特別規則書で認められた場所でのみ行える」としており、審査委員会はこのドーナツターンが「エキシビション走行」にあたり、危険な行動だと判断した。