世界ラリークロス選手権は、今季4度目となるダブルヘッダーをスペインのサーキット・デ・バルセロナ‐カタルーニャで開催。10月29日は第8戦のファイナルが行われ、ティミー・ハンセン(プジョー208 RX1e)がフル電動化となった今シーズン初めての優勝を飾った。
バルセロナでは過去2回、優勝を飾っているハンセンは、序盤から好ペースを披露。スーパーポールではヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e)に迫る勢いを見せると、プログレッションレースではスタートでクリストファーソンをアンダーカットして大観衆を沸かせる。クリストファーソンがカウンターアタックで応戦し、両者はバックストレートでサイドバイサイドになるなど激戦を展開した。
しかし、ファイナルでは、最初のコーナーに集団で進入した際に接触したクリストファーソンとケビン・ハンセン(プジョー208 RX1e)が押し出されてしまう。ここでティミーは即座に判断してジョーカーラップに入ると、最終ラップで首位に立ち、鮮やかに今季初勝利をマーク。ポイント争いでも2番手に浮上した。
「今回は、優勝以外は目指していなかった。やっと今季初勝利がマークできて、本当に素晴らしい気分」と喜びを見せるティミー。
「ここまでの道のりは長かったし、いつかはその時が来ると分かっていた。自分も弟のケビンも、何度もファイナルでリードをしていて、優勝目前に迫っていた。今日、ようやくすべてが適切なタイミングで噛み合った。
本当にうれしいし、チームのみんなにも心から感謝している。マシンの電動化に向けて、ずっと一緒に取り組んできたし、差を詰めるためにアップデートを続けるなど完全集中していた。自分たちを信じ続け、プッシュを続け、今は対等に戦える域に入ってきた。そしてついに、世界RXの新しい時代でポディウムの頂点に上がったので、最高の気分だ」
ニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)は終盤まで競り合ったが、最終コーナーでミスを喫し、2位でのフィニッシュ。若手のグスタフ・ベルグストローム(フォルクスワーゲンRX1e)が今季3度目のポディウムに上がるなど、好調を維持している。
一方、ここでタイトル確定の可能性も上がっていたクリストファーソンは、スタートのターン1での接触に対し3秒のペナルティが科されたことで、5位でのフィニッシュとなった。この結果、タイトル決定は翌日以降に持ち越された。
世界RXバルセロナ・1 ファイナル結果
1 T.ハンセン(プジョー208 RX1e) 4:10.163
2 N.グロンホルム(PWR RX1e) +0.516
3 G.ベルグストローム(フォルクスワーゲンRX1e) +3.885
4 K.ハンセン(プジョー208 RX1e) +7.880
5 J.クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e) +7.924