■プレビュー
WRC第3戦の舞台となるのは北米大陸。ラリー・グァナファト・メキシコは、今季最初のグラベルイベントだ。特色の強いウィンターラリー2戦を終えて迎えるダスティなルーズ路面のステージ自体、まったく違った試練となるが、メキシコ戦自体も、標高が高いという非常に特徴のあるイベント。レオン、グァナファと、シラオ周辺に設定される山岳路を走行するマシンに、エンジニア達は標高2800mという空気の薄い高地ではエンジンパワーが低下するという影響への対策が求められる。
このイベントにエントリーするWRカーは15台。さらにWRC2には11台が登場する。
SS1、SS13、SS21ではテレビ中継が行われる。
■2015年ルート
何年もコースのリファインを続けているメキシコ戦では、2014年同様にコンパクトなアイティナリーとなるが、今年は新設ステージが1本追加される。舗装路面の1.37km、レオンのストリートステージは金曜日と土曜日に設定される。
■ラリーデータ
開催日:2015年3月5-8日
本拠地:レオン
時差:UTC −6
総走行距離: 998.66km
総ステージ走行距離:395.21km (SS比率40%)
総SS数:21
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
■主なマシンスペック
・通常のグラベルサスペンション。それほどラフな道ではないが、リピート走行時には轍ができる。
・気温が高く路面が固く締まった道の場合に限り、ハードコンパウンドのタイヤが使われる。
■歴史
・初開催は1979年。その後1998年に本拠地がレオンに移り、2004年からWRCカレンダーに含まれるようになった。
・2007年の開催時は、総走行距離が850kmとWRC史上最も短いイベントとなった。その際も総ステージ走行距離は366kmとなり、SS率は43%を超えた。
・セバスチャン・ローブが2006〜2012年にかけて6回の優勝をマークしている(2009年はローテーションシステムにより未開催)
■見どころ
ユネスコ世界遺産のグァナファとで行われるカラフルなセレモニアルスタート。音楽、ダンス、パーティが醸し出す雰囲気は、シーズンで最も盛り上がる瞬間の一つ。開幕ステージで通過する元炭坑のトンネルには、例年早い時間から大勢の観客が集まる。