開催中のWRC最終戦ラリージャパン(ターマック)、11月11日に行われたSS4 Shitara Town R1(22.44km)で、競技中に一般車がステージに進入するという重大な事件が発生していたことが分かった。
この日は、開幕ステージのSS2で発生したダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1ハイブリッド)が炎上するアクシデントによる進行遅延で、SS3が走行キャンセル。SS4も、予定されていた8時58分から20分遅れてのスタートとなった。このステージでは、走行順7番手のクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1)が9km地点の右コーナーでコースオフ。このステージは安全上の理由から赤旗が出され、走行順15番手のブルーノ・ブラシア(シュコダ・ファビア)以降のクルーの走行がキャンセルとなった。このステージのリピート走行となるSS7は、安全上の理由からこの日の11時30分に走行キャンセルが伝えられている。
ところが、ブリーンの後にステージをスタートしていたエミル・リンドホルム、サミ・パヤリ(いずれもシュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が、ステージ途中で走行を中断。ステージの逆方向から走行してきた一般車とすれ違ったと言及。この件についてFIAは次のように声明を出した。
「SS4でステージの安全規約に関する重大な違反があり、現在調査を行っている。カーNo.42(ブリーン)のアクシデントが発生した後、ステージには赤旗が掲示された。赤旗の直後に、ステージ上に1台の車両が確認された。事故や負傷はなかったが、この件について調査が行われている。42号車のアクシデントにより、セーフティバリア(ガードレール)が破損したことでステージの安全性が損なわれるため、SS7をキャンセルすることになった。フォーラムエイト・ラリージャパンに帯同しているFIAのWRCタスクフォースの代表者が、金曜午後のステージに配備され、さらにセーフティカーを追加してステージを走行し、最高レベルの安全性を確保するために主催者をサポートした」
またラリー主催者は「本件による事故や怪我はありません。競技団は本大会に向けて万全の安全対策を行ってまいりましたが、このような事態が起きたことを深刻に受け止め、現在、FIAとともに原因調査中です。今後の再発防止に努めます」とコメントを出している。