WRC最終戦ラリージャパン(ターマック)で、ラリーをリードしていた金曜日にパンクを喫して大きく後退したトヨタのセバスチャン・オジエ。WRCに単独でタイヤを供給するピレリに苦言を呈している
今回のジャパンでオジエは、11月10日木曜日、ナイトステージのSS1でトップタイムをマークして首位に立ったが、金曜日最初のステージでパンク。早くも優勝争いの望みが絶たれてしまった。
ピレリはWRCの専属タイヤサプライヤーであり、オジエはこれまでに何度もピレリに対して率直な批判を行っている。しかし、今回のジャパンでは、母国戦勝利を目指すトヨタのラリー1マシンドライバー4人のうち3人がパンクに見舞われて、その結果大きな遅れを喫していることを指摘した。
ジャパンの最終ステージのフィニッシュでオジエは、WRC+ ALL Liveのレポーターのインタビューに「いつか、ピレリがやっている本当にひどい仕事について話す日が来るかもしれない。これから何かが変わることもあるかもしれないが、現時点では、彼らがやっていることは本当に冗談のような仕事だ。常にパンクしまくりで、それこそクジを引くようなもの」
ラリー中のほかのインタビューでもオジエは「正直、ピレリのこうした問題について誰も語らないのは少し残念だ。ミシュランで10年間走っていた時よりも、(ピレリで)1年でパンクした数の方が多い。でも契約やスポンサーの絡みがあるから、そのことについて誰も話さない。この状況で自分がフルタイムで選手権争いをしていなくて、本当によかったよ」
ピレリのラリーアクティビティマネージャー、トレンツォ・テストーニは、オジエの批判について直接的な反応はしなかったが、土曜日の午後のループでスペアを1本しか載せなかったことが、ドライバーたちがこの会社の製品に「最大限の信頼を寄せている」ことの意味するとしている。
「午前よりも道が格段に荒れていてパンクのリスクが高くなっている午後になってもスペアを1本にする選択をしたのは、ふたつのことを意味する。ドライバーがタイヤの堅牢性と耐衝撃性に最大限の信頼を寄せていること、もうひとつはセクションの終わりまで確実に走れることよりも速さを優先したことだ」
オジエのチームメイト、エルフィン・エバンスとカッレ・ロバンペラのパンクについてはなんらかの理由があったとしても、オジエは2分半以上の遅れにつながったタイヤのデフレーションに関しては説明がつかないとしている。
「正直、さっぱり分からない」とオジエ。
「すごくナローで、あまりグリップがなかった。何も感じなかった」
(Graham Lister)