シュコダは、FIA公認を取得した新型ラリー2マシン、シュコダ・ファビアRS ラリー2について、ギリシャでグラベルテストを実施。カスタマー供給に向けて、過酷なラフグラベルステージで徹底的に課題の洗い出しを行った。
「我々の課題は、カスタマーに向けて最高のパッケージを供給するためにプッシュを続けること」と語るのは、チーフエンジニアのエリック・モンメイ。 ラフグラベルイベントに最適なセットアップを煮詰めるために、カーブレーカーの路面で知られるギリシャでのテストを行ったという。カスタマーチームが遭遇するあらゆるグラベルラリーに備えて、ファビアRSラリー2をテストするためには完璧な環境だということだ。
「チャレンジングな路面と気温の高さは、ラリーマシンにとって極めて厳しい環境。ギリシャでは、どの国よりもマシンの耐久性と信頼性が求められる」
このテストでは、クリス・ミークと、WRCジャパンでWRC2タイトル獲得を決めたエミル・リンドホルムがドライバーを務め、WRCアクロポリスで使用されるステージを想定したルートラキ、コリンティア地方で、それぞれ2日間ずつ走行を行った。
また、地元ギリシャのカスタマーチームからもドライバーが参加して新型モデルをテスト。そのうちのひとり、ラブレンティオス・メレトポウロスは「自分たちの国でシュコダ・モータースポーツのテストが行われることは、ギリシャのカスタマーにとってとても重要なこと。彼らが確実なマシンを作り上げてくれることで、しっかりパフォーマンスを出してくれるマシンを買うことができる」と語る。
「このステージでファビアRSラリー2の走りを見て、非常に期待できると思った。ギリシャの道でテストを行ったマシンはどれも、勝てるマシンになる。ファビアRSラリー2も、このクラスを席巻すると確信している」
FIA公認を取得し、今後の開発についてモンメイは「ラリーカーの開発は終わることはない。新型ファビアRSラリー2がカスタマーに乗ってもらえるようになったら、幅広いドライバーからのフィードバックや、様々なステージでのデータを得ることができる。いずれも、その後の開発にとって貴重な情報だ」と語る。
「ギリシャのグラベルステージは、どのラリーマシンにとっても極めて過酷な環境だ。気温が高くなる夏の間は、エンジン、トランスミッション、それにコックピットの冷却が重要になる。ほとんどのステージが平均速度が時速80km程度と速度域が低いので、すべてのシステムを冷却するために、最適な空気の流れを作り出すことが重要となる」
「さらに、荒れた路面では、非常に信頼性の高い、強いマシンが求められる。今回のギリシャでの開発テストを受けて、我々はファビアRSラリー2が最も過酷な条件でも生き残れると確信している」
シュコダ・モータースポーツは、このギリシャでのテストの模様を収めた動画も公開している。