WRCスウェーデン:競技3日目を終えてMスポーツ・フォードのオィット・タナックが首位に浮上、勝田は再出走で戦線復帰 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスウェーデン:競技3日目を終えてMスポーツ・フォードのオィット・タナックが首位に浮上、勝田は再出走で戦線復帰

©M-SPORT

2023年シーズンWRC第2戦ラリースウェーデンは、2月12日(土)に競技3日目の7SSを走行し、前日まで2番手のMスポーツ・フォードのオィット・タナックが、ヒョンデのクレイグ・ブリーンに8.6秒差をつけて首位に立った。23.7秒差の3番手にはヒョンデのティエリー・ヌービル、27.5秒差の4番手にはトヨタのカッレ・ロバンペラが入っている。

土曜日は、12.54kmの新ステージ「Norrby(SS9/SS12)」を含む3SSをリピートし、最後に前日も走行した「Umea Sprint」のロングバージョン「Umea(10.08km)」で締めくくる7SS。総走行距離は今回最長の126.22kmが用意された。前日、SS5での転倒によりデイリタイアを余儀なくされた勝田貴元(トヨタ)はマシンを修復し、再出走を果たしている。

オープニングのSS9「Norrby 1」でベストタイムを記録したのは、総合6番手につけるヌービル。「悪くない走りができたけれど、まだブレーキに不安がある」とコメント。1.1秒差の2番手タイムにロバンペラ、首位のブリーンは1.4秒差の3番手タイムでまとめた一方、ブリーンを追うタナックは3.4秒差の6番手タイムと、その差は4.6秒とわずかだが広がった。

この日最長の28.25kmを走行するSS10「Floda 1」は、路面上にルーズスノーが積もる中、ブリーンがロバンペラに0.8秒差のベストタイム。「いいフィーリングを得られなかった」と語り、4.8秒差の5番手タイムに沈んだエルフィン・エバンス(トヨタ)をパスし、ロバンペラが総合4番手に浮上している。

スノーラリーらしい絶好のコンディションに恵まれたSS11「Savar 1」では、ロードセクションでセッティングを調整したロバンペラが、タナックとヌービルに1.0秒差をつけるベストタイムをマークした。昨年はリタイアによりこのステージを走れていないブリーンは「慎重に走りすぎてしまった」と振り返り、ベストから4.1秒遅れのSS6番手タイムに終わり、これで総合順位では2番手のタナックに3秒差にまで迫られることに。

HYUNDAI


サービスを挟んだ、午後のセクション。SS12はロバンペラがタナックに0.2秒差の連続ベスト。ここでもブリーンを上回ったタナックは、その差を1.7秒に縮めた。このステージでスピンを喫したエバンスはスノーバンクにもヒットし、15秒以上をロス。ヌービルに抜かれて、6番手にポジションを落としている。

SS13はヌービルがタナックに2.9秒差をつけて、この日2度目となるベストタイムを刻む。ここまで3番手を走行していたラッピが、タイヤトラブルからスピンを喫してスノーバンクにヒット。マシンにダメージはなかったものの、コース復帰に手間取り7分以上を失い、ポイント圏外へ。これでロバンペラが総合3番手、ヌービルが総合4番手に順位を上げた。首位のブリーンはグラベルが多く露出したコンディションに苦しみ、総合2番手タナックとの差は0.5秒と、ほぼ並ばれてしまう。続くSS14でも連続ベストをマークしたヌービルがロバンペラと同タイムの3番手に浮上。また、3番手タイムでまとめたタナックが、ブリーンを抜いて、ついにトップに立った。

TOYOTA


この日の最後を締めくくるSS15「Umea 1」もヌービルが制し、圧巻の3連続ベスタイム。3.0秒差のSS2番手タイムはコースオフから復帰したラッピ、3.6秒差のSS3番手には再出走を果たした勝田が続く。この結果、首位のタナックはブリーンとの差を8.6秒に広げて、長い3日目を走り切った。「最後の2ステージは、ほぼスタッドのない状態で走ることになったけど、こうやって戻ってこられて良かったよ」と、タナックは笑顔を見せた。一方、首位の座を守れなかったブリーンは「このタイヤの状況では、思うように走れなかった。明日はベストを尽くす」と、最終日の逆転を誓う。

抜群のタイヤマネージメントで、前日の総合6番手から表彰台圏内の総合3番手まで順位を戻したヌービルだが、総合4番手につけるロバンペラとの差は3.8秒。こちらもまだ分からない状況だ。以下、57.7秒差でエバンス、2分28秒1差でMスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベのオーダーで3日目を終えた。

TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生は、大竹直生が首位から24分43秒7差の総合33番手、RC4クラスのトップに浮上。小暮ひかるは30分01秒0差の36番手に順位を上げた。一時クラストップを走行していた山本雄紀は、SS13で電気系のトラブルによりリタイアを決めている。

競技最終日はSS16〜SS18の3SS、SS走行距離は63.04km。オープニングのSS16は日本時間2月12日の15時05分にスタートする。

WRCスウェーデン 3日目暫定結果
1. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) 1:54:45.4
2. C.ブリーン(ヒョンデi20Nラリー1) +8.6
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +23.7
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +27.5
5. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +57.7
6. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:28.1
7. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +5:55.0
8. O-C.ベイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +6:46.6
9. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +7:08.9
10. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー25) +7:20.0



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