WRCスウェーデン:リチャード・ミルナー「今日は自分たちの成果を喜びたい」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスウェーデン:リチャード・ミルナー「今日は自分たちの成果を喜びたい」イベント後記者会見

©M-SPORT

WRCラリースウェーデンのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。チーム復帰2戦目のオィット・タナックがフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1に待望の2勝目を献上した、Mスポーツ・フォード。メキシコでの先頭スタートの不利について質問が相次ぐ中、チーム代表を務めるリチャード・ミルナーはタナックの意見に賛同を示し、あくまでポジティブに考えると主張した。

●WRCイベント後記者会見 出席者

Hyundai Motorsport GmbH

1位ドライバー:オィット・タナック=OT(Mスポーツ・フォードWRT)
1位コ・ドライバー:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(Mスポーツ・フォードWRT)
2位ドライバー:クレイグ・ブリーン=CB(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
3位ドライバー:ティエリー・ヌービル=TN(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
リチャード・ミルナー=RM(Mスポーツ・フォードWRT、チーム代表)

Q:オィット、イベントを終えて今の気分は
OT: いい勝利だった。少し、感動的だった。少し……なんて言ったらいいかな? 週末を通して張りつめてもいた。このラリーに向けてはあまり期待はしていなくて、実を言えば何も予想していなかった。何を予想できるのか分からなかった。とにかく来てみて、何ができるかを考えるしかなかった。初日はかなり良かった。それほど離されていなかったし、それから自分たちのペースをやりくりして、ライバルをプッシュすることに努めた。

Q:週末を通して素晴らしいバトルだった。今回、マシンにはどれだけ満足できたか。新しいプーマにはどれくらい対応できた感じがあるか
OT: 最初は自分がマシンに対応するまで、もちろん少し時間はかかったし、ちょっとチャレンジングだった。でも、土曜日までには、いいタイムを出すためには何が必要かを理解していた。ステージウインは1本も獲っていないかもしれないが、それに迫ったタイムを常に出していたし、この週末の自分たちの強さは、平均のペースを高く保ち続け、どのステージでもベストタイムに僅差に迫れたことだったようだ。ライバルはほんの少しうまくいっていただけだった。

Q:最終日はクレイグ・ブリーンとの対決に臨んだ。最終日に向けてのアプローチとして、どう考えていたのか
OT:最終日の朝は、前日を終えた時やそれまでの2日間と同じリズムを続けた。あまり余計なことをする必要はないと思っていたが、午前はそれで十分だった。こうした状況では、ギャップがどちらに転ぶかを決めるのは午前のループで、幸い、差を広げることができた。だから、そこからはコントロールすることができた。

Q:大きな成功には常にわずかなマイナス面がつきまとうもので、選手権リーダーとなったということは、メキシコでのスタート順は先頭になる。大仕事になるが
OT:そうだね、メキシコはチャレンジングだ。でも、今日はそのことを考えなくてもいいんじゃないかな! この件については、この先数週間のうちに考えるよ。でも今日は、自分もマルティンも、チームのみんなもこの瞬間を楽しむべきだ。

Q:チームにとっても素晴らしい勝利で、チームに復帰しての初勝利だ。Mスポーツに戻って、ここまではどんな感じか。今や、サービスパークにいる全部のチームを経験していることになるが
OT:自分的には、ポジティブなことだけを経験できているのはお分かりだと思う。サービスパークにいるみんなには、少しストレスだったんじゃないかと思う。もちろん、みんなにはできる限り完璧になるようハードにプッシュしているが、そういうものだと思う。簡単に勝利は手にできるものではないんだ。僕らはみんな、全力で努力しなくてはならないし、今回、勝てた理由はそれだけだ。

M-SPORT

Q:マルティン、ラリースウェーデンで素晴らしい勝利を挙げた。今の率直な気持ちは。かなり疲れているのではと思うが
MJ:正直、少しガッカリしているよ。サウナで座っていたら、ここに来るように呼ばれたからね!

Q:来てくれてありがとう。ガッカリさせて申し訳ないね
MJ:でも、それ以外はいい週末だった。楽しめる道だった。おっしゃる通り、いい勝利だった。

Q:将来はサウナで記者会見をやるようになるかもね
MJ:そしたら、毎回出席するよ!

Q:コ・ドライバー側からは、どれくらいストレスのあるラリーだったか、それとも順調だったのか
MJ:かなり順調だった。何も文句はないよ。良かったし、楽しめるラリーだった。

Q:Mスポーツに戻って、ここまでどんな感じか
MJ:ここまで、いい経験ができているよ。

Q:何も文句はない? 何かあればリチャードの番の時に聞くけど
MJ:自分でメールを書くよ!

Q:クレイグ、総合2位だが、その順位も危うかった。チームオーダーがあったようで、パワーステージ前のリグループに1分遅着した。でも、その差もパワーステージでひっくり返った。いま、総合2位という結果にどれくらいハッピーか
CB:パワーステージではそのつもりはなかった。チームとして決断して、ティエリーにできる限り2位でフィニッシュできるチャンスを与えることになった。言うまでもなく、ティエリーがドライバーズタイトルを争うためにいい機会を作ることは、今年のプロジェクトの重要な部分だ。その流れで進んでいたので、順位が戻ったのは自分の意図ではなかった。マシンの中では、ステージがどうなっているかについて情報がない。カッレとは6秒しか差がなかったし、自分のペースがどれくらいかを把握してパワーステージで6秒落とさないようにするなどは不可能だった。予定どおりに進んでいたが、結果的にこうなった。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:一時はラリーをリードした後、2位になって、一時は3位まで後退した。周囲は、カッレがパワーステージを全開で攻めたら4位になってしまうかもしれないとも思った。今季、WRC初参戦として、素晴らしいラリーだった
CB:そうだね、いいラリーだった。正直、自分の状態に合わせなくてはならなかった。ここ数カ月、というか1年は波乱続きだった。自信をなくしたとは言わないが、常に信念を貫き続けるのは大変だった。でも、この週末は上位争いに絡んで、金曜日の時点で素晴らしい状態になっていたが、走行順のことを考えれば、まだ疑問に感じていた。みんなが質問するように、自分も自分に問いかけていた。ライバルたちと対等に戦えるようになるまでは、自分に確信を持つことができない。でも、土曜日も最終日も速さを維持することができたので、満足しなくてはならない。今はひたすらに、将来に向けて貪欲になっているよ。

Q:次の参戦は
CB:次はポルトガルの仲間と走る予定。またWRCに戻る前に、ポルトガルのラリーに2回参戦すると思う。この週末は、またチームに復帰するために、できることはすべてやった。次戦はもちろんメキシコで、ダニがメキシコに行けなかったとしたら彼は悲しむと思う。彼にとって第2の母国のようなものだからね! もちろん、彼は走行順が良くなるし熟知しているラリーだから、彼があそこでポイントを獲ってくれることを期待したい。今は少しプレッシャーを感じているようだから、絶対に獲ってもらわなくちゃね!

Q:次に参戦するERCイベント(3月11日〜12日、ラリーセラス・デ・ファフェ)での目標は
CB:タルトをたくさん食べて、おいしい赤ワインを飲んで、太陽をいっぱい浴びる! それから、もし選手権で勝てたらボーナスだね。

Q:ティエリー、3位ということだがまずは戦略について。フル参戦ドライバーとして、チームは基本的に配慮を行って、君が行け、2位に上がっていい、と言ったが、残念ながらパワーステージでは思惑どおりにはいかなかった
TN:正直、ここには戦略について話をしにきたわけではなく、予想もしていなかった素晴らしい週末について話したいと思っていた。このラリーに来る前、自分は体調を崩してイベント前テストに参加できず、クレイグに託していた。シェイクダウンも辛くて、まだ気分が優れなかった。金曜日の午前は難しいループで、スタート順が2番手なので、かなり不利になることは分かっていた。上位と僅差に留めることができ、30秒差でまとめられたし、土曜日の走行順も良くなったので、必死に戦い、7SS中、ベストタイムを4本出して、土曜日の夜を終えた段階で3位にまで戻ってきた。今日は、それを守ることがすべてだった。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:差を詰めようと必死のカッレ・ロバンペラからプレッシャーを受けていたが、最終日の最初の1本でそれは実現できないことを思い知らせた。あの1本はどれくらい限界まで攻めたか。差を広げるためにどんなタイヤ戦略を行ったか
TN:土曜日が終わった段階で、自分のタイヤ戦略と最終日の朝の走りで差がついたのだと思う。最終日の朝はカッレはいずれにしても速いだろうと思ったし、1回目の走行の時のコンディションでは彼はいつも強かった。でも、2回目の走行でのコンディションでは、自分たちの方がリスクを負わなくても速いことは分かっていたから、タイヤをいたわった。でも、パワーステージで突然、セッティングを変更しただけだがそれがうまくいかなくて、もちろんほかのステージで感じていたようなフィーリングも得られず、メチャクチャなパワーステージになってしまった。最大のチャンスを逃してしまったが、これも競技の一部だ。

Q:リチャード、Mスポーツの勝利を喜んでいるはずだ。オィットとマルティンをチームに復帰させるための壮大な努力が実を結んだ
RM:そうだね、ここで起きたことについてはすごく幸せとしか言いようがないね。オィットとマルティンがチームに戻ってきてわずか2戦目で勝てたことは、我々にとって素晴らしいことであり、自分にもマルコム(ウィルソン、Mスポーツディレクター)にとってもすごく特別なことだが、チームに関係するすべての人にとっても同じだ。みんな冬の間、ふたりが必要としているすべてのことを与えられるように信じられないほど必死に取り組んできて、それが今日、とてもいい形で報われた。とてもハッピーなチームだ。

M-SPORT

Q:この週末、懸念していたことはあったか。ルーベについては後で触れるが、このふたりが上位にいることについて、ストレスはなかったか
RM:オィットも言ったように、彼は常に僕らにプレッシャーをかけているよ! 自分たちをプッシュしていることで前に進んでいると思う。すべてが完璧だったら、自分たちは十分な仕事をすることができない。常に、何かしら改善できるところはあるものだからね。マルティンからのメールを待っているよ! たぶん、かなりの長文になると思うけどね! 自分たちは、とにかくチームとして一緒に取り組み続けてきただけ。成長を続けようとしている。ほかのチームも常にプッシュされているので、ラクではない。でも、願っていたような形でシーズンをスタートできたし、この先もこのようなアプローチで進んでいかなくてはならない。

Q:ピエール-ルイ・ルーベについて、パワーステージではちょっとしたドラマがあったようでストップしていた。マシンから出火したと思い消火器をとり出したが、電動モードで走り切った。何があったのか
RM:パワートレーンの何かに問題があったようで、調査してみなくてはならない。でも重要なのは、彼がイベントを走り切ったことであり、見事だった。EVのいいところを示せたと思う。正直、以前ならあのステージを走り切れなかったので、選手権が前進している好例を示せて良かったと思う。もちろん、そんな形でフィニッシュしたくはなかったが、ピエールがあまり自信が持てない路面で強い週末を過ごせたことが重要だと思う。ここからは、もっとノーマルなグラベルやターマックのイベントになるので、彼ももっと強い戦いができると期待している。

Q:メキシコでは、先頭スタートや最初の3番手くらいは厳しくなるが、メキシコに向けてどう考えているか
RM:オィットも言ったように、今日は自分たちの成果を喜びたい。先頭スタートを担っていいリザルトを収めたドライバーはたくさんいるし、チャレンジングになることは分かっているが、それを言い訳にし始めたり、最初からネガティブに考えたりするべきではない。自分たちはポジティブに考えていくよ。先頭でスタートするということは選手権をリードしているということ。自分たちにとって、それが一番重要なことだ。

記者席からの質問
クリストファー・リンデン(フィンランド、バサブラデット)
Q:オィット、この週末は素晴らしいパフォーマンスで、これで選手権リーダーだ。ポイントで一番近いヌービルやロバンペラの、今回のパフォーマンスについてどう考えるか

OT:言うまでもなく、金曜日の彼らはとても難しい状況だった。金曜日にラインを掃除するのは最悪だったと思う。特に最初のツイスティなステージだ。昨年は最悪だったが、今年も最悪だった。いつも雪があって最初のループは問題ないが、2ループ目はいつもトリッキーになる。スノーラリーの時は、リピート走行を設定しないステージがあってもいいんじゃないかな!



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