今週開催されるWRC第3戦ラリーメキシコ(グラベル)にMスポーツ・フォードは、オィット・タナック、ピエール‐ルイ・ルーベのふたりをフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1のドライバーに起用する。前戦スウェーデンではタナックがこのマシンでの初優勝を挙げており、ルーベは昨年、グラベルで初めてラリーをリードしたほか初めてのステージウインをマークするなど、この路面での活躍に期待がかかる。
チームは今季初のグラベルラリー、独特の高地ステージでの戦いに向けて、スペインの高地でテストを実施。いずれのドライバーもトラブルなく日程をこなして貴重な走行経験を積んだほか、シャシーやトランスミッションのセッティングに関して多くの作業に取り組んだ。
スウェーデンで、古巣のMスポーツ・フォードに復帰して初の勝利を挙げて勢いに乗るタナックは「テストでは、プーマのラリー1マシンでグラベルを走るのが初めてだったので、できる限り多くのことをつかむことが非常に重要だった」とメキシコへの備えを語る。
「今季はグラベルラリーがほとんどなので、スペインではテストを2日間行うことを決断した。チームは改良を続けるために必死に取り組んだが、今の状況をしっかり把握することにも努めた。初めてのグラベルラリーだからね」
「メキシコでの鍵となる試練は、標高と気温。高地なのでパワーが落ちるため、マシンの挙動もかなり変わる。メキシコの道は実は楽しくて、すごくテクニカルなステージがあって永遠に暑さの中を走り続けるんじゃないかという気分にもなるが、速いセクションもあって、大きな落ち込みやジャンプもある。自分たちは選手権首位に立っているのでメキシコでの初日は走行順が一番手になるが、雨が降れば有利になるかもしれない。ほぼ雨が降ったことのない場所で自分がいい雨ごいができるかどうかは、分からないけどね!」
一方、ルーベは今回が初めてのメキシコ参戦となる。
「ヨーロッパ以外のラリーに参戦するのは初めてなので、今回も新しい経験をすることになる」とルーベ。
「自分はグラベルではペースがいいので、またグラベルラリーを走ることにワクワクしている。メキシコでは、いいリザルトを収めたい。昨年のギリシャやサルディニアでの経験が役に立つと思う。状況はラリーごとに違うが、経験はいつでも大きな助けになるからね。長く開催されてきたイベントで道を学ぶための素材がたくさんあるので、このラリーに向けての準備は上々だ。テストも順調で、マシンの強さをすごく感じられた昨年のギリシャの時のようなフィーリングを再び得られたから、とても満足。いい走りをするための素材もペースも揃っていると思うので、楽しみだ」