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ERCファフェ:ヘイデン・パッドンが逆転優勝、ヒョンデ勢では選手権初勝利

©@World / Red Bull Content Pool

2023年ヨーロッパラリー選手権(ERC)開幕戦ラリーセラスデファフェ・フェルグエイラス(グラベル)が3月11〜12日、ポルトガルで開催され、 ヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)が優勝を飾った。ヒョンデ勢がERC戦で勝利をマークしたのは、これが初めて。

パッドンとコ・ドライバーのジョン・ケナードは、首位のミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に17.2秒遅れの3番手で競技最終日となるレグ2を迎えた。この日を通して猛烈な挽回を見せたパッドンは、13.2秒差で追っていたマッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)をSS15でとらえて2番手に浮上する。

2022年にはAPRCタイトルを獲得しているパッドンは、ヘイッキラとの差も2.8秒にまで詰めて最終パワーステージを迎えた。しかし、このSS17でヘイッキラがフィニッシュまで5kmを切ったところでダメージを負った左フロントタイヤを交換するためにストップ。これでパッドンが逆転し、優勝を手にした。

BRCレーシングチームが走らせるi20Nラリー2で参戦したパッドンにとっても、ERCでの優勝は初めて。
「ヘイッキラのことは気の毒だった」とパッドン。
「彼との2.8秒差を、正々堂々とかわしたかった。でもハッピー。すごくうれしいし、自分のほかのキャリアと肩を並べる成果だ」

「この選手権での道を開くために、今週末はいい結果を出したいと思っていた。プッシュはしていたが、この週末はリスクはおかさないことに徹した。それでも最終日はスピードが乗って、結果につながった。今回はズバ抜けた速さを出せたわけではなかったが、ペースは出ていたし、ラリーを通して一貫して維持することができた」

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最終ステージでタイムロスを喫したヘイッキラは、最終的に8位でフィニッシュ。その結果、オストベルグがパッドンに10.7秒差の2位でフィニッシュすることになった。エストニアの若手、ゲオルグ・リンナマエが3位でポディウムに上がった。

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「(どこでパンクしたのか)まったく分からない」と最終ステージで勝利を逃したヘイッキラ。
「石がものすごく多かったので、パンクしやすかった。タイヤ自体には満足している。泣いても仕方がない。ただチームには感謝したい。みんな、よくがんばってくれた」

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5月に開催されるWRCラリーポルトガルに向けて準備参戦に挑んだポーランド王者のミコ・マルチェク(ファビアRSラリー2)は4位。リンナマエには45.9秒遅れたが、ヨアン・ボナートは1分近く引き離した。

一方、ヒョンデからのWRCシェア参戦と並行してポルトガル選手権への参戦を発表したクレイグ・ブリーン(i20Nラリー2)は、土曜日にタイヤにダメージを負い、優勝争いから脱落。SS10ではパワーステアリングのトラブルにも見舞われたが、ベストタイムも4本マークした。SS14では5本目のステージウインも奪取するペースで進んでいたが、フィニッシュ近くの5速左コーナーでバンクへのヒットを喫した。

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2022年のERCチャンピオン、エフレン・ラレーナ(ファビアRSラリー2)は、金曜日午後の予選ステージでミスを喫し、雨に見舞われた土曜日では走行順が18番手となり、流れに乗ることができなかった。ラレーナはパワーステージでブリーンにかわされ、7位でのフィニッシュとなった。
「走行順だけでなく、最終日は低速コーナーでもタイムロスをしていた。まったくトラクションが得られず、悪夢だった」とスペインのラレーナ。
「必死にプッシュしたが、大量にタイムロスしてしまった」

今季で70周年を迎えるERC。次戦は5月4〜6日、ラリーイズラス・カナリアス(スペイン)のターマック戦で迎える。主催者は全13SS・190.06kmでの構成を用意している。

ERCファフェ 最終結果
1 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) 1:42:21.3
2 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +10.8
3 G.リンナマエ(ヒョンデi20Nラリー2) +27.5
4 M.マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2) +1:13.4
5 Y.ボナート(シトロエンC3ラリー2) +2:11.8
6 C.ブリーン(ヒョンデi20Nラリー2) +2:19.7
7 E.ラレーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +2:21.9
8 M.ヘイッキラ(シュコダ・ファビア・ラリー2 EVO) +2:41.4



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