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WRC第3戦メキシコはすべてのSSを終えて、トヨタのセバスチャン・オジエが今シーズン2勝目を獲得した。2位にはヒョンデのティエリー・ヌービル、ヌービルからわずか0.4秒という僅差の3位にはトヨタのエルフィン・エバンスが入った。
競技最終日の舞台となったのはレオン東部に位置するSS20〜23の4SS、61.36km。競技3日目終了時点で、トップのオジエと2番手のエバンスには35.8秒の差が開いているが、エバンスと3番手ヌービルの差はわずかに4.3秒と、依然緊張感の高い戦いが続いている。
この日は砕石場を舞台としたショートステージのラス・ドゥナスからスタート。表彰台のポジションをひとつでも上げたいヌービルがベストタイムを、0.2秒差でエバンスがセカンドベストをマーク。首位のオジエはリスクを避けて抑えた走りに徹し、ヌービルから3.8秒遅れのSS8番手タイムでまとめている。続くSS21オタテは今大会最長の35.63km。ポジションを守るべく渾身のアタックを見せたエバンスが一番時計をマーク。エバンスはSS2番手となったヌービルに1.7秒差をつけて、総合タイム差を5.8秒に押し広げた。このSSでは、WRC2の2番手につけていたフォードのアドリアン・フルモーがリタイアしている。
SS22サンディエゴを渾身の走りで制したのはヌービル。SS2番手にタナック、SS3番手にエバンスという順位となったが、ヌービルは12.61kmと決して長くはないステージで、エバンスに3.1秒の差をつけてみせた。これで最終ステージを残し、エバンスとヌービルの差はわずかに2.7秒に縮まった。
HYUNDAI
そして最終ステージのSS23エル・ブリンコ（9.59km）がスタート。まずはWRC2勢の上位が走行し、今季WRC2を主戦場とするガス・グリーンスミス（シュコダ・ファビアRSラリー2）が今季初参戦で勝利を獲得した。ラリー1勢は再出走組のピエール-ルイ・ルーベ（Mスポーツ・フォード）からコースイン。Mスポーツ・フォードのジョルダン・セルデリディスに続いて走行した勝田貴元は美しいジャンプを決めて暫定ベストタイムをマークした。その後、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックがこのタイムを塗り替え、各車このタイムをターゲットにアタックを行う。
上位陣はヒョンデのダニ・ソルドが順調に暫定SS2番手タイムをマーク。トヨタのカッレ・ロバンペラは、途中でリヤウイングを失いながらもソルドのタイムを0.2秒上まわり、4位以上を確定させた。続いて注目の2番手争いを演じるヌービルがスタート。暫定ベストタイムのタナックから0.2秒遅れでフィニッシュし、3位以上を決めた。ステアリングアームを曲げてしまっていたエバンスはSS22を終えた段階で応急処置を施し、最終ステージに臨んだが、その影響もあってヌービルから3.1秒遅れでのフィニッシュ。この結果、ヌービルがエバンスを0.4秒逆転することとなり、2位以上のリザルトへと繰り上がった。
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最終走者のオジエはタナックの暫定ベストタイムを2.1秒上まわり、きっちりとベストタイムをマーク、ボーナスポイント5点も獲得するパーフェクトな勝利を達成した。オジエにとっては通算57勝目、モンテカルロに続いての今季2勝目だ。
これで最終SS終了時点での総合順位はオジエ、ヌービル、エバンス、ロバンペラ、ソルド、グリーンスミスというトップ6に。パワーステージは、オジエ、タナック、ヌービル、ロバンペラ、ソルドがトップ5に入り、ボーナスポイントを獲得することとなった。
第3戦までを終えて、ドライバーズランキングは首位オジエが56点、ヌービルが53点、ロバンペラが52点、タナックが47点、エバンスが44点というトップ5。マニュファクチャラーズランキングは、トヨタが127点、ヒョンデ100点、Mスポーツ・フォードが73点となった。
TOYOTA
次戦は4月20日〜23日に開催される第4戦クロアチア。ドライとなったモンテカルロに続くターマックラリーだが、路面の性格は大きく異なる。狭く、インカットが多用されるコーナーではコンディションの変化が大きく、難易度の高いラリーとして知られる。21年はトヨタのカッレ・ロバンペラがラリーを制している。
WRCメキシコ 暫定結果
1. S.オジエ（トヨタGRヤリス・ラリー1） 3:16:09.4
2. T.ヌービル（ヒョンデi20Nラリー1） +27.5
3. E.エバンス（トヨタGRヤリス・ラリー1） +27.9
4. K.ロバンペラ（トヨタGRヤリス・ラリー1） +1:55.3
5. D.ソルド（ヒョンデi20Nラリー1） +2:58.8
6. G.グリーンスミス（シュコダ・ファビアRSラリー2） +12:31.5
7. E.リンドホルム（シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo） +13:04.4
8. O.ソルベルグ（シュコダ・ファビアRSラリー2） +13:37.7
9. O.タナック（フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1） +15:19.6
10. K.カエタノビッチ（シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo） +15:56.6
