TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が4月14日(金)〜15日(土)にイタリアで開催されたラリー・レジオーネピエモンテのRally4クラスに参戦し、山本がクラス6位でフィニッシュした。大竹はクラス15位、小暮はリタイアを喫している。
(以下チームリリース)
大竹、小暮、山本にとっては、昨年9月にイタリアで参戦したラリー・サンマルティーノ以来3度目となるターマック(舗装路)ラリーへの挑戦。これまでラリー・ディ・アルバという大会名で知られていた今回のラリーはイタリアラリー選手権及びツアー・ヨーロッパ・ラリーシリーズ(TER)の1戦として開催され、3選手はより一層厳しい競争にさらされることになりました。
ラリーは、イタリア北西部のピエモンテ州を舞台に2日間で8本のスペシャルステージ(競技区間:SS)を走行し、その合計距離は101.02km。結果的には、スケジュールの遅れによりRally4クラスの車両は最後の2つのステージを走ることなく終了となりました。
金曜日の短いSS1をクラス11位でスタートした山本・テイスコネン組は、21台のRally4車両が走行した土曜日1本目のSS2でクラス6位に順位を上げると、その後も一貫したペースで常に7位以内のタイムを記録し、フィニッシュまで順位を守りました。
小暮・ルフティネン組は金曜日のSS1、クラス7位で3組中トップでラリーをスタート。土曜日午前のSS3まではクラス7位をキープし山本のすぐ後ろにつけていましたが、SS4でパンクに見舞われ、その後ステージの途中で発生したドライブシャフトの破損によりリタイアを余儀なくされました。
大竹・サルミネン組は土曜日のSS2終了時、山本、小暮に続きクラス8位につけていましたが、その後パンクの影響で4分ほど失いました。午後は復活しSS5とSS6でクラス9位のタイムを記録し、最終的にクラス15位でラリーを終えました。
大竹直生
久しぶりのターマックラリーで、自分にとってはまず完走することが一番だったのでそこについては満足しています。土曜日の朝、最初のSS2に入る前のロードセクションでスローパンクチャーがあり、タイヤ交換をしました。そしてステージ上でまたパンクをしてしまい、SS3ではその前に交換したタイヤを再度使わざるを得ませんでした。ですが、そのタイヤではSS3の最後まで持たず、多くのタイムを失うことになりました。 それ以降のドライビングに関しては悪くなかったと思います。リスクとタイムの良いバランスを取ることが難しく、少し慎重になりすぎたセクションもありましたが、良いセクションもあったと思っています。インカットするコーナーでとても大きい石があって注意が必要だったり、今回は路面のコンディションをどのように感じとるべきかを多く学び、良い経験になりました。
小暮ひかる
たくさん雪の路面を走ってきたあと、再び舗装路のラリーを走ることをとても楽しみにしていました。事前テストでとても良いフィーリングを得られ、シェイクダウンや序盤のステージもそれが続き、ペースノートや全てのことが順調でした。残念ながらSS4の途中でパンクをし、その数百メートル後にトラブルが発生してリタイアとなりました。それほど高速ではなく、テクニカルなセクションがあるなど、日本のステージと似ていると感じたので自信を持って走ることができました。ただ、いくつかのコーナーで内側に尖った石があり、インカットすべきかどうかの判断が難しかったです。とても良い学びの機会となりました。
山本雄紀
とてもポジティブなラリーとなりました。また新しい経験でしたが、良いペースで走れたのでよかったです。今回のラリーではインカットが必要なコーナーがたくさんありましたが、自分たちが昨年参戦したラリーではあまりそのような場所がありませんでした。自分のペースノートに「カット」が入っていなかった場所にも前走車のカットしたラインがあり、そこに自分のラインをいかに合わせていくのかが一番のチャレンジでした。今回は序盤からペースはかなり良かったので、そのペースを貫き、ナチュラルなドライビングを心がけました。うまく行ってとても嬉しいです。
ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター)
冬の期間の密なペースノートトレーニングを経て、選手たちがどのようにターマックを走るかをとても楽しみにしていました。準備に関しては全てがうまくいき、ターマックはかなり久しぶりでしたが、事前テストでフィーリングを取り戻し、すでにクレバーなアプローチができていました。ラリー本番に関しては、山本は冬のラリーに引き続き、とても良いラリーとなりました。地元のドライバーは道を熟知していて非常に速いので彼らに対抗することはとてもタフですが山本は競争力あるスピードで走りきりました。小暮は不運でした。サーキットでのバックグラウンドがある彼はターマックラリーをとても楽しみにしていましたし、我々も彼の自信を感じ取ることができました。リタイアを余儀なくされたのは本当に残念ですが、走れたステージではスピードを見せてくれましたし、今回のラリーでより自信を得てくれていればと思います。大竹も少し不運でしたが、パンクの後は戦いに復帰して全ステージを走り切ることができたので良い経験ができたと思います。遅延のためのステージキャンセルで望んでいた走行マイレージは得られませんでしたが、運転に関しては3選手全員にとって非常にポジティブな週末になりました。
Results (Rally4 class):
1 Gianandrea Pisani/Simone Brachi (Peugeot 208 Rally4) 1h05m59.3s
2 Roberto Daprà/Luca Guglielmetti (Peugeot 208 Rally4) +14.4s
3 Gabriel Di Pietro/Andrea Dresti (Peugeot 208 Rally4) +17.5s
4 Fabio Farina/Gabriele Zanni (Peugeot 208 Rally4) +33.8s
5 Stefano Santero/Fabio Grimaldi (Renault Clio Rally4) +1m03.5s
6 山本 雄紀/ミイカ・テイスコネン (Renault Clio Rally4) +1m16.4s
15 大竹 直生/マルコ・サルミネン (Renault Clio Rally4) +6m14.3s
Retired 小暮 ひかる/トピ・ルフティネン (Renault Clio Rally4)
■次戦
5月19-21日に開催されるラリー・ポーランドで、今年初めてのグラベル(未舗装路)ラリーに参戦します。2017年まではFIA世界ラリー選手権(WRC)の舞台であったミコワイキを中心に、FIAヨーロッパ選手権の一戦として、高速のグラベル路面を新進気鋭の若手ドライバーたちとの戦いに挑戦します。