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全日本ラリー久万高原:初日、全SSベストのヘイキ・コバライネンが1分以上のアドバンテージ

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2023年シーズン全日本ラリー選手権第4戦「久万高原ラリー」の初日は、5月6日(土)に4カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス・ラリー2)に、1分2秒5差をつけて初日トップに立った。1分12秒3差の3番手には鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)がつけている。

唐津から約3週間のインターバルを経て、全日本ラリー選手権の舞台は唯一の四国開催となる久万高原へ。今回、久万高原としては実に2019年以来、4年ぶりとなる有観客開催を実現。「ハイランドパークみかわ」に設置されるサービスパークは無料開放され、駐車場への事前申し込みを行った限定約100台のファンが、セレモニアルスタートやサービスの作業風景を楽しむことになった。

久万高原の舗装ステージは、標高1000m前後の高地に設定。空気が薄くなることから、エンジンのパワーダウンやオーバーヒート対策が勝利の鍵を握る。さらに路面が木々に覆われている区間も多く、路面上の苔などのケアも必須なうえ、エスケープゾーンも少ないため、ひとつのミスが命取りになる可能性もある。

初日は「ハイランドパークみかわ」に置かれたサービスパークを拠点に、12.41kmの「美川リバース(SS1/SS3)」と5.86kmの「柳井川(SS2/SS4)」をループする4SS、36.54km。

朝から時雨がパラつき、ドライからハーフウエットへと変化した午前中。前半がドライ、中盤から後半がハーフウエットとなったSS1でベストを刻んだのはターマック2連勝中のヘイキ・コバライネンだった。12.41kmのステージで、勝田範彦を1kmあたり1秒以上引き離す、18.6秒差の一番時計。3番手の鎌田卓麻に24.1秒差、5番手タイムの眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリスDAT)に25.9秒差と、ライバルを大きく引き離した。

コバライネンはSS2でも勝田を9.6秒差のベスト。午前中を終えて、早くも総合2番手の勝田に28.2秒ものアドバンテージを握ってみせた。38.3秒差の総合3番手に鎌田。SS1で6番手タイムに沈んだ福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)は、このステージを12.8秒差の3番手タイムでまとめ、眞貝を捉えて4番手に順位を上げた。新井敏弘/保井隆宏(スバルWRX STI)は、ドライとウエットを組み合わせたタイヤが路面に合わず51.7秒差の6番手に沈んでいる。

雨がさらに強まり、本格的なウエット路面となった午後のセクション、コバライネンはSS3でも勝田に21.0秒差をつける圧巻のベスト。続くSS4も眞貝に11.0秒差のベストタイムを並べ、終わってみればこの日行われたすべてのステージを制してみせた。総合2番手につける勝田との差は1分2秒5に広がっており、豪雨が予報される最終日に向けて、安全圏とも言えるアドバンテージを手にした。

「コンディションが変わるなかで、今日は1日をとおして良いタイヤチョイスができた。午後は雨が少し強くなったけど、グリップレベルもいいし、自信を持ってドライブできている。明日に向けて良いアドバンテージを握ることができたね。明日のコンディションはミスが許されないけど、現時点ではラリーをエンジョイできているよ」と、コバライネンは笑顔で振り返った。

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コバライネンの先行を許した勝田は、「クルマがかなり進化しているので、すごく乗りやすくなっています。唐津からのフィードバックも、まずまず活かせています。エンジニアからもドライビングに対するアドバイスをもらっているので、改善しながら走っています」と、自分のペースに集中している。

総合2番手の勝田と総合3番手の鎌田の差は9.8秒。SS3で福永をパスした眞貝は、鎌田から5.0秒差の総合4番手。眞貝の4.3秒後方には総合5番手の福永が続いていおり、2番手から5番手までは最終日に大きく順位が動く可能性がある。

午前中のセクション、タイヤの選択ミスで大きく出遅れた新井敏弘は、午後もペースが上がらず1分35秒3差の総合6番手。JN-2クラスは、奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)と若手の山田啓介/山本祐也(トヨタGRヤリス)が3.2秒差のバトルを展開。SS3では山田がJN-1クラスのコバライネンに20.8秒差の全体セカンドベストを刻んでいる。



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