2023年シーズンのWRC第5戦ラリーポルトガルは、5月13日(土)に2日目の7SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位を快走。57.5秒差の2番手にはダニ・ソルド、1分08秒6差の3番手にティエリー・ヌービル、1分10秒9差の3番手にエサペッカ・ラッピと、ヒョンデの3人がつけている。
土曜日のルートは、サービスが置かれたポルトから西の「Vieira do Minho(26.61km)」、「Amarante(37.24km)」、「Felgueiras(8.81km)」の3SSをサービスを挟んでループし、ロウサダのラリークロスサーキットを走る「SSS Lousada(3.36km)」で締めくくる7SS、148.68km。ラリー最長の距離を走る1日となる。初日、オルタネータートラブルによりデイリタイアを余儀なくされた勝田貴元はマシンを直し、再出走を果たした。
この日のオープニングとなったSS9、初日首位のロバンペラが、2番手タイムのラッピに12.8秒という大差をつける圧倒的なベストタイムをたたき出す。これで、総合2番手につけるソルドとの差を24.1秒にまで拡大。僅差の総合3番手争いは、セカンドベストのラッピがヌービルとルーベをかわし、総合3番手にポジションを上げている。
ラリー最長の37.24kmを走るSS10、ロバンペラはオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)に3.3秒差、直接のライバルとなるソルドには21.7秒差をつける連続ベスト。ロバンペラとソルドの差は45.8秒に広がり、さらにソルドの3.3秒差にはラッピが迫ってきた。また、総合5番手を走行していたピエール-ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)がコースオフ。ホイールにダメージを負ってリタイアを決めている。ルーベはコースを塞ぐ形で止まったため、後続のソルドとラッピはルーベのマシンを避けるためにタイムロスを余儀なくされており、タイムが修正される可能性があるようだ。
SS11もロバンペラがヌービルに5.7秒差のベスト。「今朝のループは本当にいい走りができた。午後もこの調子で走るよ」と、52.4秒のアドバンテージに余裕の笑顔を見せた。総合タイムを見れば2番手のソルドと3番手のラッピの差は4.6秒、さらに4番手のヌービルもラッピの0.9秒差に迫っており、ヒョンデの3人による2番手争いは午後もさらに激しさを増しそうだ。また、再出走に回った勝田はハイブリッドシステムのトラブルが発生し、大きくタイムを落としている。
サービスを挟んだ午後のセクション、「ラフなセクションもあったから無理をせず、安全に走った」と振り返ったロバンペラが、SS12でもソルドに2.8秒差をつける一番時計。ヌービルはソルドとラッピから約5秒遅れのSS4番手タイムとなり、これで総合2番手争いから一歩後退している。SS13はソルドがロバンペラに0.7秒差をつけて、この日初のベストタイム。2.3秒差の3番手タイムで走ったヌービルが、剥き出した岩が点在するコンディションを警戒し、ペースが上がらなかったラッピをパス、総合3番手に順位を戻している。
SS14は再びロバンペラが制し、この日を締めくくるロウサダのSS15はソルドがこの日2度目のベストタイム。5度のベストを刻んだ首位ロバンペラは、総合2番手のソルドとの差をスタート時点の10.8秒から57.5秒にまで広げて、ラリー最長の1日を終えた。1分08秒6差の総合3番手はヌービル。彼の2.3秒後方にはラッピが控えており、オーダーが出されなければ、チームメイト同士の3番手争いは最終日まで続くことになりそうだ。
競技3日目はSS16〜SS19の4SS、SS走行距離は55.42km。オープニングのSS16は、日本時間5月14日の15時05分にスタートする。
WRCポルトガル SS15後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:59:48.6
2. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +57.5
3. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) +1:08.6
4. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +1:10.9
5. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:21.8
6. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:43.7
7. O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:08.3
8. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +9:36.7
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +9:58.1
10 T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー2) +11:13.2