先日タスマニアで行なわれたオーストラリアラリー選手権で、タイヤに関して前代未聞の問題が発生し、ドライバーたちから不満の声があがっている。
同選手権でタイヤサプライヤーを務めるのはクムホ。タスマニアには150本ほどを用意していたという。しかし同社からの発表によれば、タイヤサイズによってコンパウンドが変わってしまっているという。
これは使用するタイヤによってアドバンテージが生じることを意味し、例えば三菱のスコット・ペッダーは17インチ、スバルのサイモン・エバンスは18インチと異なる大きさのタイヤを使用しているが、17インチがミディアム・ハード、18インチがハードコンパウンドとなっている。
この事態にエバンスは「ターマックでは今のところいい感触を得ている。でもだんだんとグリップがなくなっていく感じがして、まるでドリフト大会みたいだ」とコメントしている。
またハード側のタイヤを履くグレン・レイモンドもエバンスに同調するコメントをしている。
「我々は新車を投入したこともあって、少しハンドリングに問題を抱えていたんだ。けれどもコントロールタイヤの一件は、我々の問題が吹き飛んでしまうくらいの衝撃だよ。イコールコンディションが保たれていないのは明らかだね」
主催者側はクムホに対し多くの疑問を投げかけたが、きちんと回答されたものはこれまでのところわずか。
選手権コントロールタイヤのイコールコンディションが守られていない、というのは初めての事態。
現時点でARC主催者ができることは、どのステージにおいても平等さが保たれるように対処することであるが、今後どのような方策が取られるのか、主催者は頭を悩ませている。