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FDJエビス:カッレ・ロバンペラが優勝、WRCポルトガルに続き2週連続での美酒

©Hiroyuki Takii

フォーミュラドリフトジャパン(FDJ)第2戦は5月21日、福島県のエビスサーキット西コースで追走トーナメントが行われ、KR69 CUSCO RacingからレッドブルGRカローラで参戦した現WRCチャンピオンのカッレ・ロバンペラが優勝を飾った。

前日の予選では、97点という驚愕のハイスコアをたたき出して単走優勝を飾ったロバンペラ。この日は朝の練習走行中、エンジンからのオイル漏れが発生し、マシンをピットに戻すという緊張が走った。今回のFDJ参戦でロバンペラ車のマシンを担当するクスコレーシングは、ラリーでも凄腕を披露する敏腕メカニックを揃えており、このトラブルにも対応。わずか13分ほどで修復を終え、無事にロバンペラをスタートに送り出した。

予選での上位32名が進出し、2台が同時に走行する追走トーナメントは、先行/後追いを入れ替えて2回走行し、3名の審査員が勝敗を決める形式。ロバンペラの1回戦は、予選32位通過の玉川艶哉(トヨタ・スープラ)との対戦。ロバンペラは先行でわずかにワイドになったが、後追いでは玉川との距離をギリギリまで詰める妙技を見せた。この対戦は「One More Time」と、“おかわり”判定。しかし、4対戦を挟んで行われた再戦では、3人のジャッジ全員の投票を獲得してトップ16への進出を決めた。

2回戦の対戦相手は、蕎麦切広大(トヨタGR86)。まず先行で走ったロバンペラに、蕎麦切も距離を詰めた見事な後追いを披露する。しかし、入れ替わって蕎麦切の後ろを走るロバンペラは、さらに近い距離で追走。両者とも好走を披露したこの対戦は、ロバンペラ1票、「One More Time」2票。観客にとっては、この対戦がもう一度見られる幸運な結果となった。その再戦では、追走で蕎麦切の走りをピッタリなぞる能力を見せたロバンペラが、3票を獲得してトップ8進出を決めた。

Hiroyuki Takii


準々決勝では久保和寛(日産180X)と対戦し、3票を獲得してトップ4に進出すると、準決勝では、開幕戦を制した箕輪大也(トヨタGRヤリス)との対決に。クスコレーシングから参戦する13歳の新鋭との対戦は、会場から拍手が起きるほど見応えのある走行となった。しかし、審査はロバンペラが3票を獲得して決勝に進出。その決勝では、昨年のランキング3位、小橋正典(トヨタ・スープラ)との対戦となったが、小橋は準決勝でマシントラブルを抱えており、スタート前にギリギリまで時間を使って作業を行い決勝に臨んだ。ロバンペラの先行に食らいついた小橋だが、位置を入れ替えての走行でコースオフを喫してしまい万事休す。ロバンペラが3票を獲得して、FDJデビューウインを飾った。

Hiroyuki Takii


前週のWRCポルトガルに続き、異なるカテゴリーで2週連続で優勝を収めたロバンペラは「正直、信じられない。初めて日本で新しいマシンでのドリフト参戦は大きなチャレンジだったけど、GRカローラがとてもいい動きをしてくれたので、この週末、たくさんの作業に対応してくれたチームのみなさんに感謝している」とコメント。

日本のドリフトファンも魅了するパフォーマンスを披露したロバンペラ。「次のFDJ参戦は?」という質問には「ヨーロッパでラリーのテストがたくさんあるし、約束はできないけど、来れたらいいなと思っているよ」と笑顔で答えた。



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