Mスポーツ・ポーランドが製作した改良版のラリー3マシン、フォード・フィエスタ・ラリー3 Evoの実戦デビューを務めたジョン・アームストロングが、今週開催されるERC第5戦ロイヤル・ラリーオブスカンジナビア(グラベル)でラリー2マシンにステップアップすることになった。
現在28歳のアームストロングは、今季のERCはここまでの4戦すべてでERC3優勝を飾っており、前戦ラリーリエパヤでは総合でもトップ10に食い込むタイムをマークしている。
アームストロングは、今季のERC参戦で苦戦しているポンタス・ティデマンドの代替として、GNモータースポーツからフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIで参戦する。チームのコーディネーターで、ERCポルトガル、ポーランドではティデマンドのコ・ドライバーも務めたジュリア・ツリンが、ERCスカンジナビアでアームストロングとコンビを組み、エントリーはMRFタイヤ・ディーラーチームからとなる。アームストロングのラリー2レベルのマシンでの参戦経験は2019年以来(当時はR5)となるが、資金難に苦しむアームストロングにMRFが資金提供をする形となった。
「とてもエキサイティングな機会を与えられた」とアームストロング。
「MRFはこの数シーズン、とても活躍しているチームだし、昨年はタイトルを獲得して、直近2戦でもマルティン・セスクが勝っている。とにかく、自分がラリー2マシンでどのような走りを見せられるか試されるようなもの。今後の継続につながるような機会も視野に入れたいが、いまは一戦のみの参戦。そのうえで、前に進めるかを考えることができるようになる」
MRFタイヤのビベック・ポンサムイは「MRFタイヤの理念は、次世代のモータースポーツの才能を育てることであり、ジョンをサポートできることを非常にうれしく思う。彼のこれまでの成績は、このチャンスに十二分に値するものであることを証明しており、トップレベルのERCデビュー戦に彼を起用できることにワクワクしている」と経緯を語っている。
ERCスカンジナビアには、今季タイトルを狙うヘイデン・パッドンやマッズ・オストベルグに加え、ニコライ・グリアジン、オリバー・ソルベルグといったWRC2の強豪もエントリーしており、激戦が期待されている。
(Graham Lister)