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全日本ラリーカムイ:初日は勝田範彦が大きくリード。コバライネンはSS1でコースオフ

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2023年シーズン全日本ラリー選手権第6戦「2023 ARK ラリー・カムイ」の初日は、7月8日(土)に 6カ所のスペシャルステージを走行。トップカテゴリーのJN-1クラスは、勝田範彦/木村裕介(トヨタ・GRヤリスJP4-ラリー2)が、福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に1分3秒1差をつけてトップに立った。2分53秒9差の3番手には松岡孝典/坂口慎一(トヨタGRカローラ)がつけている。

第2戦新城から続いてきたターマック4連戦を終え、全日本ラリー選手権は第6戦カムイで初のグラベルイベントを迎えた。昨年同様、北海道虻田郡ニセコ町を拠点とし、ニセコアンヌプリ国際スキー場にサービスパークを設置。ラリー初日は「STREAM(10.35km)」「SCHUNK REVERSE(6.74km)」「MAGNOLIA REVERSE (5.28km)」の3SSをサービスを挟んでループする6SS、44.74kmを走行する。

前戦のラリー丹後に続き「SUBARU RALLY CHALLENGE」は、新井敏弘と鎌田卓麻の欠場を決定。今シーズンから眞貝知志/安藤裕一がJN-1クラスでドライブするDAT仕様のトヨタGRヤリスは、開発期間を確保するため投入が見送られ、眞貝は昨年まで使用してきた車両(MT)で、JN-2クラスに参戦することになった。

ラリーは8日の午前9時にニセコアンヌプリ国際スキー場でのセレモニアルスタートに続き、初日最長の10.35kmを走るSS1へと向かう。このオープニングステージで、予想外のドラマが待っていた。ここまでターマック4連勝と圧倒的な強さを見せてきたヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が、フィニッシュ手前1.5km地点の右コーナーでコースオフを喫して戦列を去っている。

シーズン初グラベルで、SS1を走り切ることができなかったコバライネンは「何が起こったのか、僕自身も分からなかった。フィニッシュ手前1.5kmのあたりでコースオフしてしまった。兆候はまったくなくて、それまでのフィーリングは良かったんだ。でも、これもラリーだ」と、残念そうな表情を見せた。

サービスに戻ってきたコバライネンのファビアR5は、左フロントのロワアーム破損が判明。チームは再出走はせず、このラリーをリタイアすることを決めた。

このステージでベストタイムをマークしたのは、グラベルに向けて入念なテストをこなして挑んだ勝田。最大のライバルであるコバライネンの不在もあり、勝田は午前中に行われた3SS すべてでベストタイムをマークする。クラス2番手につける福永はSS2でフロントタイヤをバーストし、さらにコバライネンの脱落により先頭スタートを強いられてペースを上げられず、午前中だけで勝田に51.9秒もの大差をつけられてしまった。

サービスを挟んだ午後のセクションも勝田はアクセルを緩めることなく、SS4とSS5で連続ベスト。SS6は、JN-2クラスの奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)にベストタイムを譲ったものの、クラス2番手福永との差を安全圏とも言える1分3秒1に拡大して、初日を終えた。

「ヘイキ(コバライネン)さんがいないから、万事OKという感じではありませんね。見えない敵と戦う必要はないけれど、昨年の彼のタイムと比較すると、まだちょっと負けている部分があります。2ループ目は勝てたステージもありましたが、奴田原選手のタイムを見ても、まだタイムを削る必要がありそうです。WRCを走るドライバーと比較すると、セッティングや僕自身のドライビングなど、まだやるべきことが多いです」と、勝田は余裕の首位にも課題を語る。

一方、コバライネン脱落のラリーで勝田の先行を許してしまった福永は、最終SSのスタートでエンスト。「最後のSSではちょっとしたトラブルがありました。僕がクラッチペダルを滑らせてしまって、ローンチコントロールが使えずにエンストしたんです。もったいないことをしてしまいました。明日はたぶん問題ないはずです」と、肩を落とした。

2分53秒9差のクラス3番手はトヨタGRカローラをドライブする松岡孝典。2分56秒2差のクラス4番手には今井聡/高橋芙悠(シトロエンC3 R5)が続いている。

JN-2クラスは、SS2で全体のベストタイムを刻んだ奴田原が、眞貝に38.6秒差をつけて首位を快走。奴田原は合計タイムでも2番手、眞貝も3番手につけている。



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