FIAの新ルールにより、WRCのチームは今後サービスパークでマシンを隠すことができなくなる。
FIAがこのような措置を採ったのは、チームがサービスベイの前方にスクリーンを設置する事例が数件発生していたことでファンの不満が高まっていたため。チームがこのような動きを見せていたのは、特にターマック(舗装路)でのイベントでライバル勢にタイヤコンパウンドの選択を見破られないようにするのが主な目的だったが、その結果、ファンの視界を遮ることになり、レギュレーションの変更を促すことになった。
このルール改定はワールドモータースポーツカウンシルで承認。今週開催される第8戦ラリーエストニア(グラベル)からWRCスポーティング規定57.6.4が改訂され、「サービスタイム中またはサービス待機の間に、サービスベイに駐車しているラリーカーに対する視界を故意に妨げることは禁止」となる。新ルールはすべてのメーカーとWRCチームに適用されるが、状況によってはFIAに申請して免除を検討することもできる。
FIAラリー委員会のチーフであるアンドリュー・ウィートリーは、ドライバー、チームのトップ、選手権のプロモーターであるWRCプロモーターの代表者、そしてFIAが、イベントの運営方法やスポーツのプロモーション方法を変更することを目的に数々の話し合いを行ってきた。一連のミーティングを受けて、次のようにコメントしている。
「世界中の壮大な数のファンが情熱をもってWRCを追い続けてくれる一方で、いい面は常にさらに良くなる可能性を持っている。そのため、この数週間、ドライバーやチーム、そのほかの関係者と協力して、ラリーへの関心をさらに高めるためにどのような対応を試せるかを検討してきた。これは、現在進行中のプロセス。レギュレーション変更はFIAワールドモータースポーツカウンシルに批准を求める前に、まずWRC委員会の承認を得なければならない。やるべきことがたくさんあるのは確かだが、WRCとラリーはエキサイティングな時期を迎えている」
(Graham Lister)