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WRCエストニア:先頭スタートのカッレ・ロバンペラが首位に浮上、路面に苦しめられた勝田は7番手

©TOYOTA

2023年WRC第8戦ラリーエストニア(グラベル)は、7月21日(金)に2日目の7SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位に立った。3.0秒差の2番手にティエリー・ヌービル、12.2秒差の3番手にエサペッカ・ラッピとヒョンデのふたりが続いた。3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブする勝田貴元は、1分3秒6差の7番手につけている。

木曜日に行われたサービスパークが置かれたタルトゥでのSS1に続き、金曜日からは本格的な林道ステージを走行。タルトゥの北部と南部の3ステージを、中間サービスを挟んでループし、最後に南部エリアのSS8で締めくくる7SS、132.65km。今回、最も長い24.35kmを走る「Peipsiaare(SS2/SS5)」を含め、ラリー最長の1日となる。

オープニングのSS2、Mスポーツ・フォードのオィット・タナックが、ヌービルに5.0秒差、ロバンペラに9.1秒の大差をつけるベストタイムを刻む。ただ、タナックは前日のシェイクダウン後のエンジン交換により5分のペナルティを科されており、優勝争いに絡むことはできない。

このステージを終えて、首位はヌービル、3.2秒差の総合2番手にロバンペラ。初日トップのラッピは、4.5秒差の総合3番手と一歩後退している。以下、5.4秒差の総合6番手に「小さなミスがいくつかあった」と振り返ったトヨタのエルフィン・エバンス、7.4秒差の総合7番手に今回がラリー1での初参戦となるヒョンデのテーム・スニネン。3台目のトヨタをドライブする勝田貴元は、10.7秒差の総合7番手と前日からふたつ順位を下げている。

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SS3もタナックがヌービルに1.8秒差をつける連続ベスト。「この状況に対して、モチベーションを維持するのは簡単じゃない。でも、学び続けることはできる」とタナックは肩をすくめる。ステージ中にハイブリッドを失ったラッピをかわし、エバンスが3番手に浮上。ジャンクションでオーバーシュートを喫した勝田は数秒をロスしている。

SS4、タナックはステージ中盤でエンジンストールに見舞われながらも、ヌービルに1.6秒差のベスト。タナックは午前中に行われた全SSを制したスタート時点の総合48番手から、総合30番手まで順位を上げている。首位はタナックに続くセカンドベストを並べたヌービル、6.8秒差の総合2番手にロバンペラ、13.0秒差の総合3番手にエバンスというオーダーで午前中のセクションを終えた。

タルトゥでのサービスを挟んだ午後のセクション。午前中の走行により路面には轍が刻まれ、さらに雨も降ってきた。刻一刻とコンディションが変わるなか、ベストタイムをマークしたのは総合2番手につけるロバンペラ。4.7秒差のSS4番手タイムで走行した首位ヌービルとの合計タイム差を、2.1秒に縮めている。「自信を持って走れていない」と語る勝田を、Mスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベがかわし、6番手に順位を上げた。

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続くSS6もロバンペラが連続ベスト。轍に苦しめられたヌービルは4.4秒差のSS5番手に留まり、これでロバンペラが2.3秒差の首位に浮上した。続くSS7はタナックがこの日4度目となるベストタイム。2.0秒差のセカンドベストで走行したラッピが、エバンスをとらえて総合3番手に順位を戻した。

長い1日を締めくくるのは、一度のみの走行となるSS8「Neeruti(7.60km)」。タナックがエバンスに1.1秒差のベストタイムでこれをまとめ、総合11番手と、ポイント圏内にあと一歩まで迫ってきた。首位のロバンペラは1.8秒差のSS3番手タイムでまとめ、総合2番手ヌービルとの差を3.0秒として2日を終えている。「出走順トップで走行した午前中は、路面が予想以上に滑りやすかったね。午後はライバルと同じコンディションで走れたし、プッシュすることができた」と、ロバンペラは笑顔で振り返った。

TOYOTA


1日をとおして総合3番手争いを繰り広げたラッピとエバンスの差は1.9秒。総合3番手のラッピは首位から12.2秒差と、こちらもまだ分からない。33.8秒差の総合5番手はスニネン、48.8秒差の総合6番手はルーベ。変化するコンディションに苦しめられた勝田は、1分3秒6差の総合7番手につけている。

競技3日目はSS9〜SS17の9SS、SS走行距離は102.61km。オープニングのSS9は、日本時間7月11日の14時9分にスタートする。

WRCエストニア SS8後暫定結果
1. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:12:22.2
2. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +3.0
3. E.ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) +12.2
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +14.1
5. T.スニネン(ヒョンデi20 Nラリー1) +33.8
6. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +48.8
7. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:03.6
8. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:07.4
9. G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:14.1
10. S.パヤリ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:25.0
11. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +4:47.0



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