今週開催されるWRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)に向けて、Mスポーツ・フォードは前戦からの開催間隔が短い中、高速グラベル2連戦の2戦目に万全の準備を進めてきた。
前戦エストニアでは、母国ラウンドのシェイクダウンでエンジントラブルに見舞われたオィット・タナック。ラリー中の速さを見れば優勝も狙えただけに悔しさが残るところだが、いまは気持ちを切り替えてフィンランドに集中。カレンダー伝統の一戦に向けて勢いを取り戻すべく、1日を使い切ってフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1のテストを行った。
チームメイトのピエール・ルイ・ルーベもテストを1日行ったほか、週末にはフィンランドのタンペレで開催されたHYAセンターラリーにアルノー・デュナンと組んで参戦して高速グラベル戦での自信と知識を高めた。WRCフィンランドでは通常通り、コ・ドライバーはニコラ・ジルスールが務める。
一方、前戦エストニアからは中一週間しか間隔が空いていないため、チームのエンジニア、テクニシャンなど16人のチームメンバーは英国に戻らずにエストニアでの滞在を延長して、プーマ・ハイブリッド・ラリー1のリビルトとプリペアに忙しい日々を過ごしてきた。
チーム代表のリチャード・ミルナーは「チームスタッフの働きと熱意に賞賛を送りたい。なかには、週末4回分、家に戻らないメンバーもいる」とチームメンバーを労う。
エストニアでの悔しい思いを振り切ってWRCフィンランドに臨むタナックは「フィンランドは基本的に、エストニアよりも格段に過酷なイベント。これまでもフィンランドで走ることを楽しんできたし、いいリザルトを収めたこともある」と語る。
「エストニアは非常に厳しい内容となり、残念ながら求められるほどのポイントを獲ることができなかったが、それでもいいペースを出すこともできた。フィンランドでは、シェイクダウンでできる限りいいフィーリングをつかみ、週末を通して最高のリザルトを目指してプッシュするだけだ!」
ルーベは、エストニアから3週連続でのラリー参戦となる。
「3週間続けてラリーに出られてハッピー。忙しい7月だったよ!」とルーベ。
「でも、おかげで走行経験をたくさん積めたし、フィンランドに向けてしっかり準備できたと思う。タンペレでは、厳しいコンディションの中での走りとなったので、この経験をラリーフィンランドで活かしていく。目標は、エストニアよりももう少しいい走りをして、ペースの面ではオィットにあと少し近づくこと。そして、このマシンでの自分の成長を続けることだ」