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2023年シーズンWRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ（グラベル）は、9月9日（土）に3日目の6SSを走行し、トヨタのカッレ・ロバンペラが首位に立った。2分04秒4差の2番手にヒョンデのダニ・ソルド、2分09秒4差の3番手にトヨタのエルフィン・エバンスがつけている。
ラリー3日目は、ラミアのサービスパークを起点に「SS7/SS10 Pavliani（24.25km）」、「SS8/SS11 Karoutes（28.49km）」、「SS10/SS12 Eleftherochori（18.02km）」という3ステージをリピートする6SS、141.52km。ラリー最長の1日となる。
オープニングのSS7、2日目の先頭スタートから解放されたトヨタのカッレ・ロバンペラが、チームメイトのセバスチャン・オジエを1.3秒上まわるベストタイム。首位のティエリー･ヌービル（ヒョンデ）はベストから11.9秒差も遅れたSS3番手タイムとなった。ヌービルは「いい走りができたと思ったし、正直これ以上は無理だ」と首を振る。この結果、SS2番手タイムをマークしたオジエが、ヌービルに7.8秒差をつけて総合首位に立った。
後方ではナローセクションでスピンを喫し、バックギヤでの再始動を強いられた勝田貴元（トヨタ）が30秒以上をロス。ダニ・ソルド（ヒョンデ）が、6番手にポジションを上げた。前日、メカニカルトラブルからペナルティを受けて大きく順位を下げていたMスポーツ・フォードのオィット・タナックは、8番手と入賞圏内にまで順位を戻している。
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今回最長の28.49kmを走るSS8は、ジャンクションでエンジンストールを喫したオジエに、ヌービルが9.8秒差をつけるベスト。ヌービルは2.0秒差ながらもオジエをパスし、トップの座を獲り戻した。総合5番手を走行していたエサペッカ・ラッピ（ヒョンデ）はダウンヒル走行中に大きな岩にタイヤを当ててパンク。ステージ中でのタイヤ交換により2分以上を失い、総合7番手にドロップしている。これでソルドが総合5番手、勝田が総合6番手とひとつずつ順位を上げた。
SS9はロバンペラが、ヌービルに1.5秒差をつけてこの日2度目となるベストタイム。ラフなコンディションを警戒したオジエは、ペースを落とし、10.4秒差のSS3番手タイム。これでヌービルとの差は10.9秒にまで広がってしまった。総合4番手を走行していたエルフィン・エバンス（トヨタ）は、油温上昇のアラートが出てEVモードでの走行となり、1分以上をロス。これでソルドが総合4番手、エバンスは総合5番手にポジションを落としている。また、エバンスの5.3秒差には、勝田が迫ってきた。
ラミアでの中間サービスを挟んで、午前中のステージをリピートする午後のセクション、SS10では予想外のドラマが待っていた。トップのヌービルが、スタートから11km地点で右フロントとステアリングを壊してストップ。これで労せずしてオジエが首位に復帰した。12.6秒差の総合2番手は、このステージでベストタイムをマークしたロバンペラ。大きく離れた総合3番手にソルド、総合4番手にエバンス、総合5番手に勝田のオーダーで続く。
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SS11はロバンペラがオジエに0.2秒差の連続ベストを刻む。SS3番手タイムのエバンスは、ソルドをかわして総合3番手にポジションアップ。これで、上位3台をトヨタ勢が独占することになった。一方、総合5番手を走行していた勝田は、スタートから8.7km地点でパンクにより1本目のタイヤ交換。さらに15.7km地点でも2本目のタイヤ交換を余儀なくされ、ラッピとタナックに抜かれて総合7番手に順位を落とした。ただ、ラッピはSSをフィニッシュしたものの、オルタネーターと駆動系にトラブルを抱えている状態だ。
SS12、今度はオジエに試練が襲いかかる。左リヤをヒットしたオジエは、パンクに加えてサスペンションにもダメージを負ってしまった。3分57秒2遅れでステージはフィニッシュしたものの、自力での修復は叶わず、その後デイリタイアを選択。10分のペナルティで最終日の再出走を目指すこととなった。代わってロバンペラが首位に浮上、2分04秒4差の総合2番手にソルド、2分09秒4差の総合3番手にエバンス。一時は32番手まで順位を落としていたタナックが、総合4番手までリカバーしている。
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総合5番手は後輪駆動でSS12を走り切ったラッピ。パンクに苦しめられた勝田は、総合6番手でタフな1日を走り切った。「2度のパンクは運が悪かったんですが、それでも、ここまで走り切ることができました。SS12は、これ以上タイヤにダメージを負えなかったので、とにかく岩を避けながら走りました」と、勝田は安堵の表情で振り返った。
競技4日目はSS13〜SS15の3SS、SS走行距離は62.91m。オープニングのSS13は、日本時間9月10日の14時52分にスタートする。
WRCアクロポリス SS12後暫定結果
1. K.ロバンペラ（トヨタGRヤリス・ラリー1） 2:29:40.5
2. D.ソルド（ヒョンデi20Nラリー1） +2:04.4
3. E.エバンス（トヨタGRヤリス・ラリー1） +2:09.4
4. O.タナック（フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1） +4:49.7
5. E.ラッピ（ヒョンデi20Nラリー1） +6:16.2
6. 勝田貴元（トヨタGRヤリス・ラリー1） +7:02.2
7. A.ミケルセン（シュコダ・ファビアRSラリー2） +8:51.1
8. G.グリーンスミス（シュコダ・ファビアRSラリー2） +8:51.5
9. S.オジエ（トヨタGRヤリス・ラリー1） +9:47.6
10. Y.ロッセル（シトロエンC3ラリー2） +9:56.3
